るりとうわた

日常をつづる

『いのちの食べかた』(原題は「Our Dairly Bread」)

「いただきます」って、だれに言いますか? 「食」の不安は、「食」を知ることでしか解決できない!きっと、誰かに教えたくなる。食べ物があなたの食卓に並ぶまでの、驚くべき旅。

監督:ニコラウス・ゲイハルタ
脚本:ウォルフガング・ヴィダーホーファー
   ニコラウス・ゲイハルタ
編集:ウォルフガング・ヴィダーホーファー

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これは昨年の2月に観た映画です。(現在やっている映画館もあります)
ドイツ・オ-ストリア映画でオーストリアのドキュメンタリー作家、ニコラウス・ゲイハルター監督の原題「Our Dairly Bread」(日々の糧)です。
音楽も字幕も、ナレーションもない、ただ映像が流れるだけで、誰もが毎日のように食べている肉や野菜がどのようにして食卓に並ぶのか、その過程を追っています。
野菜も、お肉も、まるで工業製品のように、大規模な機械化による生産と管理されている様子。
ベルトコンベヤーを流れてくる大量のヒヨコたち、自動車工場のように無駄なく解体される牛や豚、普段到底私達が見ることの出来ない現場の実態が展開します。
残酷と感じる間もなく、オートメーションの流れ作業の部分品としての製品にしかみえなくなってきます・・・
血も吸引しているので流れない・・・
アスパラやピーマン畑の機械化された広大な農園、早朝の朝もやの中のレタスやトマトを収穫する映像はとても美しい・・・。
そしてそこで働く人々が淡々としていて、飾り気のない姿で無表情、それでも労働する姿、労働で流す汗は美しいな〜、と感じさせられます。
私たちが、日々口にする食物は、こうした過程をへて、糧となっているということです。

映像だけで語りがない分、頭は実に自由に様々なことを考えます。(笑)
太陽を見ることなく育てられるブロイラー、牛の雄から採取される種の選別、大量の牛や豚の解体は神への冒涜では?とか、いや神なんて信じていないから自然への冒涜かしら?、それとも自然の摂理に反するとか?・・・(笑)
でも、自然にあるものを獲るのではなく、食すのに必要な物を生み育てているのだから、自然には反さないのか?いやその逆か?
等々、普段使わない頭が大回転です。
とにかく答えはない、知らなかった現実の前に唖然とします、そしてあらためて食や生きることの意味を考えさせられる凄い映画でした。

「いただきます」まさに、「糧として、そのいのちいただきます」ですね。
下はその映画のHPのアドレスです。
牛の絵の,staffのところと、インタビューをクリックして覗いてみてください。
http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/

まだやっている映画館もありますが、DVDにもなっています。

いのちの食べかた [DVD]

いのちの食べかた [DVD]