るりとうわた

日常をつづる

バイオエタノール産業

今日のNHKの沸騰都市・「サンパウロ 富豪は空を飛ぶ」はとても興味深かったです。
ブラジルのサンパウロの話ですが、世界的な金融危機の中、ブラジルにもその波は押し寄せていますが、圧倒的な農業力と資源で乗り切ろうとしている。
現在のサンパウロでは、中間層の伸びが凄まじく、車も増え交通渋滞や、強盗の危険等を防ぐため、その経営者たちは移動手段をヘリコプターでおこない、「空飛ぶ富豪」とよばれている。
ヘリコプターは4百を超え、個人所有の数は、ニューヨークを抜いて世界一、ヘリポートの数も4百以上と、これも世界一を誇るそうです。
ブラジルでは広大な大地と農耕に目を向け、35年前にサトウキビによるエタノールをエネルギーとする国家アルコール計画に取り組みます。(先見の明あり!)
エタノールはガソリンと比べると燃費は7割だそうですが、価格は6割と安く、これまで利用は10分の1だったのが、中間層の増大と、21世紀に入りエコブームの到来により、10倍になったそうです。
現在のエタノール産業は300万人の雇用で大成功、これで財をなした人が「空飛ぶ富豪」となって、”Time is money”と交通の時間短縮で、さらに経済の発展に寄与している様子でした。
1200キロのパイプラインを引き、エタノールを輸出しようという計画、アジア、アフリカなどからの投資も急増しているとか。
そして、今のアメリカと中東によるエネルギー政策からの転換を、国家規模で検討し、特に熱帯=サトウキビが育つアフリカからは熱い注目で、ブラジルに続こうというものです。
今後ブラジル、アフリカ中心のエネルギー政策=エタノールが石油に取って代わる予感をさせてくれました。
そんな中、これまでの失業率20%は7%となり、人口1億8千万人の半分が中間層となり、生活の向上を目指し消費活動に力を入れ、ブラジル経済は健全な成長を遂げている。
ルーラ大統領は「世界がキリギリスだったとき、我々はアリのように働き、蓄えてきた、今その蓄えを使うとき」(というニュアンスで)と語っていましたが、何と的確な比喩でしょうか。(笑)


また冒頭では、各農産物の収穫高も多く、人間が食べることを止めない限りブラジルは大丈夫だと言い切り、しかもまだ国土の4分の1しか開拓されていないということです。
なんとも羨ましい話ですが、日本もこの金融危機をキッカケに、もっと自給率を上げる農業政策に転換してはどうでしょうか?
自給率が4割と言うのでは心細いですし、農家は高齢化して跡継ぎがいなくて休耕田も目立っています。
農家に生まれなくては農業が出来ないという狭い枠を取っ払い、派遣切りや住まいのない労働者に、職場を提供し、辛いキツイ、儲からない農業ではなく、大きな援助の下に、新しい農場経営を取り入れてはどうでしょうか。
日本人も食べることを止めることは出来ません、多くを貿易に頼るのではなく、明るい先の見える農業政策で食の安全も保障されるのではないでしょうか。