るりとうわた

日常をつづる

NHKの沸騰都市・TOKYOモンスター

沸騰都市の最終回は東京でした。
これまで、人口流出が進んでいたのが、ここ毎年10万人という人口増に転じているそうです。
ウオーターフロントの開発で、この地域は小学生の数も年々増え続けているそうです。
そこに通う子供たちは高層住宅に住み、東京タワーが目の前に見え、雨の日は雲が窓の下にある、という暮らしぶりです。
その東京の再開発を担ってきたのは、三菱地所、森ビルといった民間デベロッパーで、情報、文化を東京に集積し、環境に配慮した街作りで、世界の都市間競争で生き残ろうとしています。
水平に拡大するのは限界で、それを達成する2つの手段が、高層化と地下世界の拡大です。

新しい道路、山手トンネル(山手通りの下を走り完成すれば日本最長のトンネル)の工事現場の取材が出てきます。
私が東京へ出て実感するのは、地下鉄の深さです、地下鉄を乗り換えるたびに、深く深くもぐるわけで、東京へ出ると人間はモグラか?と感じるのです。
まさにその地下にある9つもの鉄道をすり抜け、くぐり、もぐりして作られているのが、この山手トンネルの道路で深いところは地下40mといいますから、閉じ込められたらモグラどころではありません。(笑)

容積率は一挙に緩和されたことにともない、東京は世界有数の超高層都市に生まれ変ろうとしている。

(森タワー)

森ビルをつくった森社長が登場で、もっと緩和されてこういうビルがいくつも建ち、それを横に移動できるロープウェイで繋げばいいそうです。
また、前々回のブラジルのように、ヘリコプター移動の産業も考えているそうです。
三菱地所は丸の内に多くの土地を所有し、テナントは大成功で空き率1%とか、外資産業の多くも進出していて、多くの重要な企業が都心に密集しているのでビジネスがしやすいそうです。
東京へ出れば、本当に多くの外国企業人やその家族に出会いますね。
もちろん郊外の工業団地へ出稼ぎに来ている外国人とはまた違うホワイトカラー族、エリート族という感じです。

(丸の内から銀座方面)

丸の内のテナントは成功しているのでしょうが、新宿に通勤している娘談では、一等地のビルの賃貸料金が高く、この不況の煽りで、転出(引越し)をしている企業が増えているそうです。
そういう形で、空きビルが増加し、そこへお金のあるシンガポールは目を付けているようです。
シンガポール編の最後に、東京の地図(渋谷の地図でしたね)を広げ、TOKYO進出の策を練っていましたが、ちょっと怖いものを感じました。(笑)
多額の資本で、頭脳の流出を狙っているだけでなく、東京侵入もか?と、思うと・・・、東京は日本であって日本でない感じがします。

人が人を呼ぶ、そういう拡大の仕方が、まるで意思を持った生き物のようだから、TOKYOモンスターと名づけられたのでしょうね。
都市がこれから先、果てしなく高層に、そして果てしなく地下へと発展し、映画館や舞台は天然光がいらないので地下に出来るそうです。
そして、地下鉄や地下トンネル道路や、ロープウェイで繋がる様は、子供のときに見た「鉄腕アトム」の冒頭の未来都市そのままの姿になる日も近いということでしょう。
国際線のパイロットは世界で最も美しい夜景はTOKYOと名を上げるそうです。

眠らない街を持つ、その東京の灯りのエネルギー源は?環境問題等を考えた時、自然との調和はどうなのでしょうか?
そして首都直下地震が発生したら、帰宅困難者が一斉に自宅へ向かったら、満員電車並みに混雑(1平方メートルに6人以上)した道路を3時間以上歩く人が201万人に達するという予測が出ていましたが、そういうことを考えられた上での人に優しい発展であることを望みます。
仕事をしたり遊びに行くには東京は便利な都市ですが、山を見て暮らしたい私には住みたい土地ではありません。(各写真素材屋より)