るりとうわた

日常をつづる

ザ・ノンフィクション

関東では日曜日の午後2時からフジテレビでやっている番組のことです。
リアルな現実の記録で、私も知らないことが多いのでよく見ています。
今週の日曜日は、「ザ・ノンフィクション・神さまの声がききたい〜小児救急救命の365日〜」という内容でした。

お話は長野県の安曇野市にある長野県立こども病院で、働く若き医師たちのドキュメンタリーでした。
http://www.pref-nagano-hosp.jp/kodomo/


重大な疾患を抱える新生児の担当となった若い女医は、医者の家系ではなくお母さんの話では幼い頃から、生き物が好きで、小さい生き物を拾ってきたり助けたりしていたそうです。
まだ20代の若さで、救急患者に他の医師が付き添うことで、夜間勤務が一人となり、応援の医師を頼んでも不安になったり、担当の新生児の血液検査で、母親がビデオを撮る中で、てんばって採血出来なかったりと、苦悩する姿がそのまま描かれます。
心臓と腎臓に疾患があり生まれても1週間ぐらいの命ではと言われた、その新米の母親と父親が、新しい命に感激している様子、一日でも長く生きられるように見守る優しい目。
手厚い治療と看護の中で、1ヶ月、2ヶ月と育っていく小さい命。
身体を大きくして心臓の治療を出来るようにしょうとすると腎臓に負担がかかる、どの治療を選択するか悩む医師。
その頃若い男性の研修医が赴任し、はじめての現場でミスしないようにという緊張感が伝わるようで、「はじめてのお使い」ではありませんが誰にでも初めてのことはあるものと再認識です。
その男性も医者の家系ではなく、生後1ヶ月で急に紫斑が全身に広がり危なかったところを小児医に「大丈夫ですよ」と言われ救われたそうです。
そのお母さんが「本当に心の支え医師が、神様に見えた」と、本人は記憶はないでしょうが、「自分は助けてもらった経験があるので今度は医者になって助けよう」と思ったそうです。
女医さんは仕事で悩みつつも私生活では婚約者がいて、その彼は脳科学の研究者とかで埼玉との遠距離恋愛中、秋に入籍した日も、お父さんと彼を置いたまま、担当の新生児の様子を聞くのに病院に電話をする姿。御主人は一緒に住みたいし、子供もいるといいと話す。
若い夫婦は病院で子供と一緒に新年を過ごします、お父さんは「色々あったけれど佳音(かのん)が生まれてきて幸せ、今年も3人でよい年にしたい。」、お母さんも「3人で仲良く頑張る」と言う。
本当にこの夫婦が、助けてもらった命を育てる、愛情深さが伝わってきます。
そんな中女医さんも「医師不足はどこでもそうだ」と、この病院を辞め、3月に夫の処へ行く決心をします。
そして、その佳音ちゃんはひなまつりを迎え、3月末に女医さんはそのご夫婦から佳音ちゃんの手作りアルバムを贈られて感激します。
そうして1歳の誕生日を迎え、とても幼児らしい表情になりました。という内容でした。

とても希望に繋がる内容で、小児医療の過酷な現実を前に若い医者にも若い夫婦にも逞しさを感じました。
命の輝きを育むものは、人と人の繋がりだと感じました、また人を成長させるのも人と人との繋がりだと、それがたとえ小さい命でも、同じだと感じました。
見たその日に、育児放棄で幼い二人の子が亡くなっているのが発見されたとニュースがありました。
命の私物化は酷いですね、倫理観の欠如でしょうか、ドアを閉めて離れればその存在が消える、電源を切ればゲームがリセットされるようなものではないはずです。
母親に生殺与奪の権利があるはずがない、生まれたその日から社会で守られるものだと思います。
「人は全て、生まれながらにして生きる権利を有する。この権利は法によって守られるべきである。誰もこの権利をみだりに奪ってはならない」 (国際人権規約第6条1項)
悲しいニュースがあれば、こういう温かい話をもっともっと沢山流して欲しいと思いました。