るりとうわた

日常をつづる

終戦記念日に見たテレビ

昨日の終戦記念日にニュースで2つの映像が流れました。
一つは

65回目の終戦の日となる15日、政府主催の全国戦没者追悼式が、東京都千代田区日本武道館で開かれる。天皇、皇后両陛下のご臨席のもと、菅直人首相、遺族代表ら約7200人が参列し、犠牲となった約310万人の冥福を祈る。

もう一つは

谷垣総裁は午前11時すぎ、靖国神社を訪れ、大島幹事長とともに本殿に上がって参拝しました。また、これに先立って安倍元総理大臣も靖国神社を参拝しました。一方、超党派でつくる「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」に所属する、民主党自民党みんなの党たちあがれ日本国民新党の国会議員41人も靖国神社に参拝しました。

と言うニュースです。
そこで、安倍氏は記者団に対し、菅総理大臣と17人の閣僚が終戦の日の15日、靖国神社に参拝しない意向を示していることについて、「自主的な判断であればよいだろうが、例えば総理や官房長官の方針として決めたのであれば、信教の自由上、問題がある」と述べていました。
それを聞いてあれっ?と思ってしまいました。
戦争で亡くなられた方にもいろんな宗教の方があったと思いますが、逆に信教の自由上、閣僚が靖国神社だけを参拝するのはおかしいのではないでしょうか?
個人として参拝するのは自由ですが、閣僚としての立場で出席がなかった今年はスッキリしていて私は良かったと思いました。

テレビでは終戦65周年記念ドラマがいくつかありましたが、私は、『北の国から』などで知られる脚本家・倉本聰が手掛けるスペシャルドラマ『歸國(きこく)』とNHKの「15才の志願兵」を見ました。
どちらも今の若者たちに訴える形で、世代を超えて見れる内容だったと思います。
歸國(きこく)』は、1955年に発表された故・棟田博さんの短編小説『サイパンから来た列車』を基に、倉本氏が舞台脚本として書き上げたものを、テレビドラマ用に書き直したものです。
「8月15日終戦記念日の深夜、静まり返った東京駅のホームに、ダイアには記載されていない1台の軍用列車が到着。そこに乗っていたのは60余年前の戦争中、南の海で玉砕し、そのまま海に沈んだ英霊達。彼らが現代によみがえった目的は、平和になった故国を目撃すること。そして、かの海に漂う数多の魂にその現状を伝えること。永年夢見た帰国の時、故国のために死んだ彼らは、現在の日本に何を見たのかを描く。」

倉本氏は「終戦から60余年が過ぎ、戦争の記憶が風化しつつある。日本がアメリカと戦ったことすら知らない子供がいるという。少年時代をあの戦争の中で過ごした僕ら世代にとって、ただ忘れたでは済まされない深く厳しい想いがある」と当時を回想。さらに「60余年の空白を経て浦島太郎のようにこの国に戻り立った英霊たちの驚愕は、想像するに余りある。これは鎮魂のドラマであり、怒りと悲しみのドラマである。もう先のない僕らの世代が、1つの時代の小さな証人として遺しておかねばと思い書き下ろしたものである」と述べられています。

私が良かったと思うのは小栗旬演じる元音楽家で出兵のため、想いを寄せる女性・河西洋子(堀北真希)と別れ、そのまま南の島で玉砕した木谷少尉が、英霊として現代に舞い降り、60余年ぶりに洋子(八千草薫)の元へ訪れ、さまざまな想いを馳せる場面でした。
木谷少尉は亡くなったのでその年令で止まっていますが、生きていた彼女だけは年を重ねて行き、学校の音楽教師をし、病気で失明後家に居るのですが結婚もせず一人で元の家に暮らしています。
その二人が見えないはずの英霊と60余年ぶりに心通わせる姿に現実味を感じさせる八千草薫さんの年令と、それでも当時の少女のように喜ぶ姿に、戦争の虚しさを感じることが出来ました。

NHKの「15才の志願兵」は愛知1中での実話を元に作られ、昭和18年海軍は航空兵不足の解消のため、全国の中学校(旧制)に甲飛予科練習生の志願者数を強制的に割り当てます。
志願者の少なさに焦った軍部は、校長を通じて『時局講演会』を開き、生徒への指導強化を命じる。
教師は名門一中の生徒として進んで戦場に行くべきだと語る。
熱狂の中、お国のために役に立ちたいと使命感に目覚めた純真な生徒たちは、次々と志願を誓う。
冷静に聴いていた主人公の少年までもその空気に飲み込まれ、「戦場に行く」ことを宣言する、息詰るシーンです。
「ぼくらは死ねと教えられた」と言う少年の言葉は身につまされます。
なんと言う時代かと悲しくなります、もちろん教師も親たちも苦しみますが、駄目だと言えない時代です。
「お国のために、天皇陛下のために、死できます。」と言う教育を受け、言いたいことも、非国民とされるので言えない時代だったということです。

その前の大河ドラマ龍馬伝」では坂本龍馬薩長同盟をなすために駆けずり回っていました。
一人一人が生き生きと暮らせる時代を造ると!
もし龍馬が暗殺されていなければ、明治という時代はどうなっていたのでしょうか?
大日本帝国はあったのでしょうか? などと考えてしまいます。(笑)

富国強兵、朝鮮をめぐっての、日清、日露の戦争、そして第一次世界戦争、満州事変、日中戦争、第二次世界戦争と、こんなにも多くの戦争をしてきたのか・・・
知らない歴史がいっぱいです。
二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、知らないことは怖いことだと思います。
言いたいことが言えない時代が二度と来ないように、気をつけなければいけないと思いました。