るりとうわた

日常をつづる

6月に皐月 と観劇


早くも6月ですね、今年は春の花が咲くのが早く、2週間から10日ほど早かったように思います。
ところが、その中にあっても、それに動じず例年通り、5月の半ばから咲きだしや花があります。
それが写真のさつきです。
まさに名のごとく、五月のさつきに咲く花で、例年通り同じ時期に咲き、6月に入った今も咲いています。
ご近所のさつきもそうだったので、この仲間は皆この時期に咲いたようです。
ある意味不思議でもありますが、カレンダーを知っているのでしょうか?(笑)
先週、3公演セット券1割引きのお得券の新国立劇場の3公演目を観劇してきました。

座席選択制で、しかも売出し初日だったので、小ホールは3列目、今回の中ホールは一番前と言う良席でした。
ただ、これまでの「赤道下のマクベス」と「1984」はこんな前で見る必要はありませんでした。
これらの舞台作りや話では、それこそ定位置の壁を背負った、一番後ろの席でも良かったぐらいでした。
それが最後の「ヘンリー5世」になって、やっと意味のある良席となりました。

ヘンリー5世

2009年『ヘンリー六世』、2012年『リチャード三世』と、新国立劇場ではシェイクスピアの歴史劇に取り組み、『ヘンリー六世』三部作の通し上演での充実した成果など、演劇界の話題と注目を集めました。また、昨年は新たなシリーズの幕開けとして『ヘンリー四世』二部作を上演し、こちらの通し上演も大きな話題となったことが、記憶に新しいところです。 そして、今回はその続編となる『ヘンリー五世』が満を持して登場します。この作品では、前作のラストで新王に即位したヘンリー五世が内政の基礎を固め、さらに隣国フランスへの遠征に出向き、華々しい戦果を上げる様が活き活きと描かれます。我が国での上演頻度は決して高くありませんが、本国イギリスでは人気の作品で、著名俳優によって何度も上演され、また映画化もされている、まさに秘中の佳作ともいえる作品でしょう。 出演も、前作でヘンリー五世の若き日を演じた浦井健治がそのまま新王を演じ、演出の鵜山仁以下、充実のスタッフ、キャストでお贈りします。

作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁

キャスト:
浦井健治 岡本健一 中嶋朋子 立川三貴 水野龍司 吉村 直
木下浩之 田代隆秀 浅野雅博 塩田朋子 横田栄司
那須佐代子 小長谷勝彦 下総源太朗 清原達之 鍛治直人 川辺邦弘
亀田佳明 松角洋平 内藤裕志 田中菜生 鈴木陽丈 小比類巻諒介 玲央バルトナー
勝部演之 金内喜久夫 田代隆秀

これは面白かったです。良作と言うか秀作と言うか、まずシェークスピア劇の面白さが出ていました。
そして俳優それぞれが役に嵌り、役をこなして上手かったです。
笑いの部分も上手く演じられて、客席と一体感が湧きました。(しつこくなく)

浦井さん、前見た時(「王家の紋章」 と「ビッグ・フィシュ})は物足りないかな?と感じたのですが、これは良かったです、若き王に引き付けられるものがありました。

評論家の方が、
『9年に渡り、ほぼ同じスタッフや多くの同俳優たちが参加した新国立劇場シェイクスピア歴史劇シリーズ。その作品群の中で浦井健治は『ヘンリー六世』三部作で若き王を、『ヘンリー四世』二部作では放蕩息子の王子、そして本作『ヘンリー五世』では父王の死により即位し、白い衣と王冠を次第に血で染めていく王を演じた。

俳優としての成長が、ここまで自らが演じるシェイクスピア作品とリンクしていくのは稀有なことだとも思う。

カンパニーと彼とが打った句読点を反芻しながら、観客である私たちは「ああ、また『ヘンリー六世』の第一部”100年戦争”から観返したいな……と2009年の舞台に、そして15世紀の英国に生きた人々へと思いを馳せるのである』と書いていました。
あ〜俳優やスタッフにとってもこの作品は集大成なんだというのがわかりました。
素晴らしいカンパニーが出来上がっていました。