るりとうわた

日常をつづる

観劇2

池袋にある東京芸術劇場での観劇でした。

ミュージカルは歌詞が聞き取れないと、台詞がないので意味が分からなくなるので、2回とっておいて良かったです。

「ナターシャ・ピエール・アンド・ザ・グレート・コメット・オブ・1812」はブロードウェイでの題名をカタカナ読みにした、長い題名です。

 

2012年にオフ・ブロードウェイで誕生、2016年にはブロードウェイへ進出し、翌年のトニー賞では最多12部門でノミネートされ大きな話題となります。世界10大小説として名高い傑作「戦争と平和(第2巻第5部)」を全編に渡り歌で綴り、スピード感あふれるミュージカルとして、現代的で情熱に満ちた物語に。“最も革新的”“新たなブロードウェイの扉を開けた”とNYタイムズ紙やVOGUE誌などで大絶賛されました。

 日本版は、音楽とダンスで魅せる個性的でアーティスティックな世界観に定評のある気鋭の小林香が演出し、より進化した『グレート・コメット』の世界をお届けします!

ストーリー、音楽、美術、照明、衣裳、全てがゴージャスで刺激的!アートとエンターテインメントが融合した新時代の舞台がついに日本初演の幕を開けます! 

 

とにかく新しいのは舞台のつくりです。

舞台の上に4つの箱というか穴があって、そこが客席になっています。そこには小さなテーブルがあり、ピロシキを食べ、ワインを飲むことが出来ます。

今まで舞台の上に客席があるのを見たことがありますが、舞台は通路の様になっていて、下に客席があります。ですからそこへ行くのには舞台の上を通り階段で降ります。

またオーケストラピットが三つに仕切られ、その二つには演奏者が入り、一つにもお客が入ります。

ブロードウェイでは新しい舞台として作られた会場だそうです。

その写真をお借りして来ました。

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この舞台の前後にも客席はあるようです。

オフブロードウェイではテーブルの周りで演じられ、キャバレーのようだったということです。

とにかくライブ会場のように身近にかんじることが出来るようで、芸術劇場でもコメットシートとして、少し高い料金で扱われていました。

私は2回とも通常席の後半で、いつものようにその変わった舞台を眺めました。

ストーリーは

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Story

1812年の空から降り注ぐ彗星の輝きが、彼らの運命を導く―

19世紀初頭、モスクワ。貴族の私生児として生まれたピエールは、莫大な財産を相続したが愛のない結婚をし、その人生にどこか虚しさを抱えながら、酒と思索に耽る毎日を送っていた。ピエールと親交のある、若く美しい伯爵令嬢ナターシャは、婚約者のアンドレイが戦争に従軍し寂しさを募らせていた。そんなある日、美しく魅力的な男アナトールと出会ったナターシャ。その誘惑に抗えず遂には駆落ちを計画する。だがそれは失敗に終わり、アンドレイとの婚約も解消されてしまう。

一方、ピエールは妻エレンの不倫を知り、不倫相手のドロホフに決闘を申し込む。かろうじて勝利するものの、意味の無い命を賭けた闘いに、ますます鬱屈した気持ちを募らせていく。

虚しく生きる男と全てを失った少女、2人の運命はやがて重なり―。

 

[音楽・作詞・劇作・脚本]デイブ・マロイ [演出]小林香 [原案・原作]レフ・トルストイ

[出演]井上芳雄 (ピエール)/ 生田絵梨花 (ナターシャ)/ 小西遼生 (アナトール)/ 霧矢大夢 (エレン)/ 松原凜子 (ソーニヤ)/ 水田航生(ドロホフ) / はいだしょうこ(マリア) / メイリー・ムー(バラガ) / 原田薫(マーリャD) / 武田真治 (アンドレ・ボルゴンスキー老公爵)/ 他
 

 ピエールは最初アコーディオンを弾きながら、次にピアノを弾きながら歌ってからは、ピアノを交代し、そのピアノの向かい側に本を持ち込み、読書をしたりと、1幕の大半をオーケストラピットですごし、舞台の進行には絡まず、傍観者でいます。

妻の浮気相手に対し決闘をする時だけ出て、拳銃の打ち合いになり、相手を死なせてしまいます。

その後はまた下に降りて、マトリョーシカを並べたり、本を読んだりし、友人のアンドレイが戦争から帰ってきた時に出て、婚約を破棄するナターシャからの手紙を渡され、アンドレは去って行きます。

その手紙類を持ってピエールはナターシャに会いに行きます。

そこで少し慰めるのですが、「自分は既婚者だし」という感じで、二人に愛が芽生えるようなシーンではありませんでした。

それが最後には、「大きな彗星のように輝く存在だった」とナターシャのことを歌うのです。

大いに会場も盛り上がったのは、舞踏会で会った後、アナトールが彼女(ナターシャ)をさらって国外に出ると歌うシーンで、舞台上も客席も、もう日程も終盤ですしリピーターも多い様子で、大いに盛り上がります。

その悪役、悪女のアナトールとエレン兄妹が金髪の美人揃いで、妖しく魅惑的で、いつの世にもこういう人間には誰しも弱いのかしら?等と感じ入ってしまいました。

そのシーンでもう2幕の半分は終わっているので、この後本命のピエールとナターシャはどうなるの?と思ったら、あっさりアンドレの手紙を渡して、慰めて自分の立場を言って別れてしまうので、ハテナ?マークが。

で、最後の歌で、愛の告白ですから…あれはそういう感情だったの?と驚いてしまうのでした。もう少し熱い思いが表現されても良かったのではと感じました。

戦争と平和」の映画なら、オードリー・ヘプバーンのナターシャと, ヘンリー・フォンダのピエールを観たいですが、もう1956年の作品だそうです。そんなに前の映画なんだと驚きました。