安保法案 衆院委で可決 反対民意の中 強行
私の周りでも、民主党から自民党に政権が変わった時には、2〜3人の方は「民主党は経験がないから、官僚と上手くやっていけない。自民党はやはり経験があるから安心できる」と言う意見の方がいましたが、今ではその方達も「安倍さんのやり方は強硬過ぎる」「なんか怖いよね」と言っています。
知っている方は、ほぼ安倍首相の国民の理解が得られなくとも、強引に進めるやり方に危険を感じています。
そして野党の力が弱く、与党が多数で独断が進む政治にも不安を感じています。
ですから、今は政権不支持の人が増えています。
このままでは良くないと思っている人の方が多数だと思います。
そんな中、
安保法案 衆院委で可決 反対民意の中 強行
他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする政府の安全保障関連法案は十五日午後の衆院特別委員会で、自民、公明両党の賛成で可決された。民主、維新、共産の野党三党は強行だと抗議して採決に加わらなかった。安保法案に対し、憲法学者から「違憲」との指摘が続出するなど、各界各層に反対の声が広がる中、安倍政権は今国会中の成立を目指す姿勢を鮮明に打ち出した。
特別委は同日午前、安倍晋三首相が出席して締めくくり質疑を行い、与野党が質問。続いて野党側が審議の継続を求める動議を提出したが、賛成少数で否決され、浜田靖一委員長(自民)が質疑終局を宣言。野党議員が委員長席に詰め寄って抗議する中、維新案、政府案の順で採決した。維新の対案二本は賛成少数で否決された。野党三党は席に着かず、浜田氏に抗議を続けたが、政府案は与党単独で可決された。民主、維新両党が共同提出した領域警備法案は採決しなかった。
首相は採決前の質疑で、他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱にした安保法案について「まだ国民の理解が進んでいないのも事実だ」と認めた。「批判に耳を傾けつつ、確固たる信念があればしっかり政策を進めていく必要がある」とも強調した。
民主党の長妻昭代表代行は「説明が尽くされたと思っているのか。国民の理解が得られていない中、強行採決は到底認められない」と訴えた。
特別委に先立ち、自民、公明両党の幹事長は都内で会談し、安保法案を十六日の衆院本会議で可決し、参院に送付する方針を確認した。
参院では法案を審議する特別委の設置に野党が同意しておらず、早期の審議入りは難しい情勢。与党は、衆院通過後に六十日が経過しても参院が採決しない場合、憲法の規定に基づき衆院が三分の二以上の賛成で再可決、成立させる可能性も排除しない姿勢を示し、参院に審議を促す考えだ。
◆世論説得 自信のなさ露呈
<解説> 与党は十五日午後、安全保障関連法案に関する衆院特別委員会で採決強行に踏み切った。五月末から一カ月半にわたるこれまでの審議では、政府側の説明の矛盾やあいまいさが際だった。審議を進めるほどに世論の疑念が深まる中での採決は、拙速との批判を免れない。説明を尽くしても、国民の理解を得る自信がないと認めているに等しい。
法案の最大の問題点は、どんな状況になれば、他国を武力で守る集団的自衛権を行使するのか不明確なこと。歴代政権が憲法解釈で禁じてきた集団的自衛権を行使する判断について、安倍晋三首相の答弁は「私に任せてほしい」と言っているようにしか聞こえない。大半の憲法学者が「違憲立法」と批判する理由はここにある。
首相は審議の序盤では、「他国の領土、領海、領空で戦闘行為を行わない」と強調。他国での武力行使は中東・ホルムズ海峡の機雷掃海以外に「念頭にない」と明言していた。ところが、近隣国の領海で米艦が攻撃を受けた際の対応について野党から追及されると、集団的自衛権を行使する可能性を排除しなかった。
首相は、敵国の意図が不明でも集団的自衛権行使に踏み切る可能性にも言及。政府の裁量次第で行使の範囲が広がる懸念は、審議を重ねるごとに強まった。
そんな状況で採決したのは、世論の反対がこれ以上強まる前に採決してしまえという姿勢にほかならない。首相は安保法案を閣議決定した五月十四日の記者会見で「分かりやすく丁寧に、必要な法整備であることを審議を通じ説明していきたい」と強調した。自身の発言の意味を、今こそかみしめるべきだ。 (新開浩)東京新聞
世論調査での内閣不支持率が、支持率を上回り、安保法案反対のデモが増え続ける中、世論の反対の声がだんだん大きくなるのを恐れたのでしょうね、安倍首相自身も、まだ国民は理解していないと言いつつ、特別委員会での強行採決です。
そして、
安保法案:締めくくり質疑、NHK中継せず
毎日新聞 2015年07月15日 東京夕刊
15日の安全保障関連法案の締めくくり質疑を行った衆院平和安全法制特別委員会は、NHKで中継されなかった一方、衆院のインターネット審議中継サイトはアクセスが集中してつながりにくい状況となった。
NHK広報局は国会中継の基準について、「全会派が出そろう国会審議を対象に、国民的な関心が高い重要案件を扱う委員会質疑であることや、各会派が一致して委員会開催に合意することなどを適宜、総合的に判断している」と説明。この日の審議は、直前まで全会派が出そろうかどうか不明だった。採決の模様は、正午のニュースを延長して中継した。【丸山進】
国民的な関心が低いとみなされたのでしょうか。誰のためにあるNHKでしょうか?
国会周辺でもあんなにデモが起こっているのに・・・
そして、民放で、テレビの映像ですが、デモの様子を見たのも久しぶりという気がします。
マスコミはもっと国民の関心事を報道するべきだと思います。
安倍首相は「国民はすぐに忘れる」とこの強行採決も、思っているのでしょうね。
それで、孫たちが、鉄砲をかつぐようでは困ります。
安倍首相は与党が多数を占めている今のうちに、自分の信念(国民とは無関係)を押し通そうとしています。
国民の意見を聞かずに、危険な方向へ日本を持って、行こうとしているとしか考えられません。
安保法案、衆院委で可決 与党が採決強行
2015年7月15日12時59分(朝日新聞)
安全保障関連法案は15日午後、衆院特別委員会で採決が行われ、自民・公明両党の賛成多数で可決された。審議を締めくくる総括質疑の終了後、維新の党が退席し、民主・共産両党が抗議する中、与党が採決を強行した。法案は16日にも衆院本会議で可決される見通しだが、安倍晋三首相は15日午前の質疑で「残念ながら、まだ国民の理解が進んでいる状況ではない」と認めた。
特集:安全保障法制
質疑で、首相は「必要な自衛の措置とは何かを考え抜く責任は私たちにある。批判に耳を傾けつつ、政策を前に進めていく必要がある」と述べ、採決の正当性を訴えた。また、十分な審議が行われたとの認識も示した。
一方、民主党の長妻昭代表代行は「国民の理解が得られていない中での強行採決は到底認められない」と批判。共産党の赤嶺政賢氏は「審議は尽くされていない。審議を続行すべきだ」と主張した。
質疑の後、特別委の浜田靖一委員長(自民)が質疑の打ち切りを宣言。まず維新の党の対案が否決され、維新が退席。民主・共産が委員長席に詰め寄って抗議する中、与党の賛成多数で法案は可決された。民主の岡田克也代表は記者団に「違憲の疑いが極めて濃い法案が強行採決されたことに強く抗議する」と語った。
特別委に先立ち、自民、公明両党は15日朝、幹事長らが会談し、16日の衆院本会議で法案の衆院通過をめざす方針を確認した。
法案については、多くの憲法学者が憲法違反だと指摘。報道各社の世論調査でも法案への反対意見が多い。だが、与党は法案の審議時間は14日までに113時間を超えて審議は尽くされたと主張。また、これ以上審議を続けても、法案に対する世論の理解が深まらず、内閣支持率の低下を招く可能性もあると判断し、採決に踏み切った。
関連法案は、武力攻撃事態法改正案、周辺事態法改正案(重要影響事態法案に名称変更)、国連平和維持活動(PKO)協力法改正案などの改正案10本を束ねた一括法案「平和安全法制整備法案」と、国会の事前承認があれば、いつでも自衛隊を紛争地に派遣することを可能にする「国際平和支援法案」の二本立てとなっている。
■安全保障法制の全体像
<新法案>
・国際平和支援法案
<改正法案>
・武力攻撃事態法改正案
・周辺事態法→重要影響事態法案
・PKO協力法改正案
・自衛隊法改正案
・船舶検査法改正案
・米軍行動円滑化法→米軍等行動円滑化法案
・海上輸送規制法改正案
・捕虜取り扱い法改正案
・特定公共施設利用法改正案
・国家安全保障会議(NSC)設置法改正案
(→は改正とともに法律名も変更)
■想定される主な政治日程
<今週中>
<7月下旬以降>
安保関連法案の参院審議入り
<8月15日 終戦の日>
この日までに安倍首相が戦後70年の談話発表
<9月中>
政府与党、安保関連法案成立めざす
<9月27日>
延長国会の会期末
<9月30日>
自民党・安倍総裁(首相)の任期満了
<9月下旬>
国連総会