観劇
7月の末と、8日の日に、帝劇で観劇して来ました。
同じ演目で、3カ月もやっている「エリザベート」です。
2回も行くつもりはなかったのですが、6・7月のチケットが落選続きで取れないうちに、8月のチケット先行売り出しが始まり、そちらはいとも簡単に取れてしまい、その後に6・7月分も取れていたことが判りました。
約3か月に及ぶロングラン公演にあたり、タイトルロールのエリザベート役として、宝塚版オリジナルキャストであり、その比類なき華やかさで客席を魅了する花總まりが2015、2016年に続き登場。 そして、2018年宝塚公演で同役を演じ、退団後初舞台・初主演を飾る愛希れいかが初参加する。 黄泉の帝王・トート役には2015、2016年から同役で新境地を開いた井上芳雄と、2018年『モーツァルト』で主演のヴォルフガング・モーツァルト役を見事に演じた古川雄大が初参加。 舞台の狂言回し役を担う皇后暗殺者ルイジ・ルキーニ役は山崎育三郎と成河が前回に続き演じる。
脚本/作詞
ミヒャエル・クンツェ
音楽/編曲
シルヴェスター・リーヴァイ
演出/訳詞
出演
日本では宝塚歌劇団が1996年よりエリザベートの上演を行ってきたが、加えて2000年から東宝により、ウィーン版を基本とした東宝版エリザベートが上演されている。東宝版では、宝塚版でカットされたシーンが加えられ、各国版と同じくエリザベートが主役となるように脚本、演出、楽曲、歌詞が改訂された。一方で、宝塚版のみで使用される楽曲(愛と死の輪舞)や設定(ハンガリー革命家等)が残されるなど、東宝版はウィーン版と宝塚版の折衷版ともいえる。
東宝版初演のエリザベート役には宝塚初演でトート役を演じた一路真輝、トート役は元劇団四季の山口祐一郎と文学座の内野聖陽、ルキーニ役は高島政宏、ルドルフ役は東京藝術大学在学中の井上芳雄などが抜擢された。
2000年の東宝版初演にあたって、新曲「夢とうつつの狭間に」などが書き下ろされた。2004年の再演では「私が踊る時」「ゾフィーの死」などが追加された。
演出等の大幅な変更は、2001年、2004年、2015年の再演の際に行われている。
2012年の再演では、ハンガリー版・ウィーン再演版でトート役を演じたマテ・カマラスが同役を日本語で演じた。
もうポスターを見てもらえば、即分かるのですが、ビジュアル重視で、それがすでに、20年前の2000年ごろのエリザベートとは違うということです。
ここ平成年間の技術進歩は著しく、照明や映像は画期的に進歩を遂げました。
その影響が当然舞台にも押し寄せてきています。
舞台装置は変わり、テンポは良くなり、若い観客が増えました。
20年前は、私たち世代の社交場でした、私達から上の世代の方達の・・・
今は、若い人が押し寄せています。
それゆえの、舞台装置や照明の進歩、俳優のビュジュアル化でしょうか。
私たち世代はどこへ追いやられたのかと見て行くと、東急文化村シアターコクーンや蜷川幸雄氏のシェークスピア劇場 へ行くと、まだお仲間に会え、その空気感にホッとします。(笑)
新国立劇場でも大勢見かけるということはストレートプレイに多いということで、ミュージカルの舞台はやはり若い方が増えたということかもしれません。
最初トートが、大きな羽をつけて上から降りて来るのですが、これが宝塚版なのかしら?、まるで少女漫画を見ているような錯覚におちいります。
昔はもっと魑魅魍魎の世界で、死の世界を描いていたように感じるのですが、今はトートダンサーズも増えて、スマートな世界へと変わったように感じます。
長きにわたりヨーロッパに君臨したハプスブルク帝国末期19世紀後半のオーストリアを舞台に、ドイツ地方・バイエルン王国公爵の次女として自由な環境で生まれ育ち、偶然にも皇帝フランツ・ヨーゼフ1世から見初められ、16歳でヨーロッパ宮廷随一と謳われる美貌のオーストリア皇后となるが、伝統と格式を重んじる宮廷との軋轢の中で苦しみ、やがてウィーンを離れヨーロッパ中を流浪する日々を送り、その旅の果てに暗殺された皇妃エリザベートのベールに包まれた半生を、彼女につきまとい誘惑する「死」という架空の存在を通して迫り、これを以って中央ヨーロッパにおける帝国支配の終焉と新時代の萌芽を描いた作品。
それを3カ月に渡り、Wキャストやトリプルキャストをはめて、それぞれの組み合わせを楽しんで、リピーターを増やそうと言う策なんでしょう。
セットは3カ月変えなくていいし、主催者側には美味しいことが多いのかもしれません。
私の1回目は、
2回目の配役は
トート役は井上さん、ルドルフは三浦さん、ルキーニーが成河(ソンハ)さんが両日とも同じでした。
でも、他が違うだけで、芝居が違いましたね。
エリザベート役は、このところ宝塚退団後の方が圧倒的に多く、すでに宝塚で、エリザベートなり、トート役を経験した方が、やっています。
花總まりさんは、在団中もエリザベート役は長かったようで、お芝居が、少女時代は可愛らしく、そして皇后エリザベートは当初ははつらつと、後半は静かに、と演じ分けていました。
メイリハリがついていると言えばそうですが、芝居がかっていたとも言えます、
その点、退団されたばかりという、愛希れいかさんの方が、自然と成長していく姿が演じられていて、私はこちらの方が気品を感じられました。
井上芳雄さんは、2015年の時は、この方は良い役の方が似合うのでは?と少し物足りなく感じたのですが、4年経って、成熟されましたね、見応えがありました。
というか、聞きごたえがあったというのが一番なのですが、もう歌声が凄い、圧倒的な声の圧があり、会場中を支配下に納めてしまう勢いがある。
その歌声に飲み込まれてしまい、かつ気分がいいという、この世界はしばらく続きそうです。
そして芝居で言えば、ルキーニ役の成河さんの芝居がいいです。
ルキーニと言うのは狂言回しで、この芝居を展開していく役割を持つのですが、何より一番良いのは、台詞が明瞭であること、その言葉が客席全体に届くということです。これは重要なことです。
この方とはいろんな舞台で出会っていますが、どの役も違う役ですが、みんな上手いです。インタビューで
ルキーニにとっては、あたかも自分が演出家であるかのように裁判長と傍聴人に向けてお芝居を見せている3時間5分。そう見えないかもしれないけれど(笑)、実は戯曲に書いてあることに忠実にやっているだけなんですよ。僕はそういうタイプです(笑)。狂言回しとしては、基本は常に逆を持ち込むことを考えています。華やかだったら淡々と、綺麗に対して汚い、甘美だったら辛辣に……。舞台を見て、前のシーンが落ち着いていたら盛り上げますし、華やいでいたら水を差す(笑)。要するがにツッコミ役なんです。そうやっていると自然にライブ感が生まれます。
後は子役が、可愛いですね、ボーイソプラノの声がいつまでも、頭の中に残ります。
最後にこの写真に似せて衣装もポーズも同じように登場します。