るりとうわた

日常をつづる

「劔岳 点の記」

先月観た映画の話です。

内容は明治40年、日本地図完成のために立山連峰劔岳への登頂に挑む陸軍測量隊と山の案内人たちとそれを取り巻く話です。

とにかく映像が綺麗、自然が素晴らしい。
きっと山登りをする人はこういう景色に癒されて、困難を困難とせず登り続けるのだろう、と思わせてくれる。
だから山登りの苦労をせずして、椅子に座って、この光景が見られる幸せに浸っておりました。
そしてバックに流れる、クラッシックの曲がまた良く合います。
自然はすべて実録だし、衣装その他も明治時代のその時に使われていたように揃えられたと思われ、その時代にタイムスリップするようでした。
そして、まさにその時代に存在したと思わせてくれる香川照之さんの演技が素晴らしかったです。


主人の郷里が富山なので、私たちは年に2度ほど飛行機で帰省します。
高度1万メートルぐらいだと思うので、眼下にはまさに地図帳が展開します。
明治時代の測量隊のことを思うと、本当に申し訳ないぐらい進歩した便利な時代に生きていることを痛感します。(笑)

(ホテルから見た立山連峰です。剱岳は右側に見えるのですが↑、分かりにくいです)

羽田空港を飛び立つと直ぐ機体は北に旋回し、左下に富士山を見ながら、まもなく南アルプスが見え、丸い諏訪湖が見えてきます。
すると夏でも頂上に白い雪帽子を被った北アルプスが見えます、その山並みを飛び越えて、日本海へと出ます。
ここまで30分と掛かりません。
そして、能登半島をぐるりと廻り、日本海側から富山湾越しに屏風のように立ち並ぶ立山連峰を目指すがごとく、向きを変えた機体は富山空港に着陸します。
富山の景色の特徴は、なんと言っても切れ間なく続くこの立山連山を背にしているということでしょう。
その連山の中で一段と高く三角形を積み上げた山があります。
それを主人に尋ねたところ、「剣岳」と言うことで、その後も強く印象に残っています。
何回帰省しても山に登ることはないし、今後もきっとないだろうから、この映画が作られていると知った時から、主人と見ようと決めていました。(笑)

物語そのものは中だるみがあって弱い感じがしますが、自然はすべて実録で、その本物の姿に圧倒されます。
それは物言わずして、私たちを圧倒しつくします。
紅葉の山、雪景色の山、霊峰・剣岳の素晴らしい映像や、雷鳥の鳴き声に、登頂に挑戦する人々に、自然の厳しさを知りました。
そして、主人も子供時代を思い起こさせるぐらい、出演者の富山弁が自然だったと感激していました。
私は雲海の中に浮かぶ富士山が見えた景色に、大感動しました。
あんなに大きくは見えないと思いますが、常々の飛行機の体験から、あの距離感は実感できる!と、心の中でちょっとだけ自慢しておりました。(笑)

誰かが行かねば、道はできない -木村大作と映画の映像-

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