世界遺産・ギョレメ国立公園およびカッパドキアの岩石遺跡群と、世界遺産ハットウシャシュ
エンジェルス山の麓、標高1200mの高原地帯は太古からの火山活動と浸食作用によって出来たキノコのような奇岩が連なっています。
カッパドキアはこうした自然遺産とその洞窟内に住み着いた人々の地下都市や洞窟教会堂やフレスコ画の文化遺産との複合遺産です。
私たちのツアーはカッパドキアに2連泊し、その一日目は9時出発で、それまで自由時間ということで、早朝の気球乗りに参加することができました。
約ツアー客の半分が参加しました。
5時15分ごろホテルを出て、帰って来たのは8時過ぎでした。
9時過ぎからは地上からの見学です。
まずはカイマクルの地下都市の見学です。
4世紀前後からローマ帝国によって迫害を受けたキリスト教徒がこの地に集まりだし、やがてローマ帝国はキリスト教を国教化するが、つづいてイスラム教がこの地を治めると、キリスト教徒は再びこの地に集まるようになります、ギョレメの地名は「見てはならぬ」の意味で、キリスト教徒にとっては「見られてはならぬ」の意味で、岩窟に教会を作り、地下都市を築きました。
↑パシャバー
↑3本の煙突のようで「妖精の煙突」と呼ばれています。
↑ギョレメ野外博物館の壁にあちこち穴が開いています、これがキリセと呼ばれる岩窟教会で、異教徒にわからぬように岩をくりぬいて出来ています。
これらの中は美しいフレスコ画がありますが、撮影禁止でした。
↑セルヴェから約4km、ピンク色の岩の峡谷が続き、ローズバレーと言います。ここからの夕景はカッパドキアでも有数の絶景スポットで、私たちも訪れました。
↑スリーシスターズと呼ばれています。
↑こちらはラクダ岩です。
ギョレメ谷を散策し、その後このローズバレーにやってきました、もちろん夕景を見るためです。
ピンクの岩肌が次第に紫色に変わって見えます。素晴らしいです。
そして日が沈みます。
世界遺産ハットウシャシュ
ハットウシャシュはトルコで最初の王国、ヒッタイト王国の首都であった場所です。
紀元前2000年頃、アナトリア最初の統一国家が現れます。
ヒッタイトは黒海を渡ってきた北方系民族で、鉄器を初めて使用したことで知られています。ボアズカレ(トルコ語で峡谷の城の意味)に首都を置いたこの王国は、次第に勢力をまし、紀元前1400年頃に帝国となります。
紀元前1285年にはラムセス2世のエジプト王国を撃退するほど強大となる。
その後地中海起源の謎の「海の民」により滅ぼされる。
二重の城壁には、王の門、ライオンの門、イエル・カプ(地下トンネル)があり、都市ハットウシャシュを取り囲んでいます。
↑ライオン門
↑スフィンクス門
↑イエル・カプ(地下トンネル)
↑峡谷に広がる都市の遺跡
さらに、ハットウシャシュの北東2kmほどの地点にトルコ語で碑文のある岩という意味のヤズルカヤ遺跡はあります。紀元前13世紀に造られた岩づくりのパンテオンで、ヒッタイトの神々や女神のレリーフが良好な状態で残されています。
ここはヒッタイト帝国ハットウシャシュの神々を祭る屋外神殿でさまざまな儀式が行われていました。
その儀式の様子が岩に刻まれているレリーフからもうかがえる。
物言わぬ遺跡群は語りかけます、その当時の人々の営みを。
紀元前2000年、1300年、当方もつかない年月に、脈打つ歴史を感じます。
何かすごく感動する遺跡でした。