るりとうわた

日常をつづる

フェズ(世界遺産)

ロッコ最古のイスラム王都フェズの見学です。
まず14世紀に発展したフェズ・エル・ジュディド(新市街)にある王宮の見学からです。
現在、モロッコ王国立憲君主制です。

外務省のページでは
「2011年初頭より,チュニジアやエジプトで起こった政変の影響を受け,モロッコでも民主化を求める抗議行動が活発化。フェイスブックで集まった若者を中心とした『2月20日運動』が定期的に全国一斉デモを組織するなどした。これを受けて,国王は憲法改正を提案。2011年7月,国民投票を経て,国王の権限を縮小し首相の権限を強化する内容の新憲法が発布された。」
現在も王制と国民の関係が上手くいっているようで、警察も交通や治安の取り締まりを良く行っていて、街中でもスピードの取り締まり(ネズミ取り)の光景も良く見かけました。
そういう影響もあり、泥棒なども少なく治安が良いと説明がありました。
かといって民主的かというと、そういうことでもなく、日本の戦前の天皇制のようだという分かりにくい説明でした。(まあ批判を受け付けない権力があるということだと思います)
ただ、王家や警察官、検閲官等にカメラを向けてはいけないこと、また特に女性や子供にもカメラを向けないように注意を受けました。
また、広場などでデモンストレーションをしている人々、へびつかいや水売り等にカメラを向けると料金を取られるということで、一体どこを向いて写真を撮れば良いのか?難しいです。(笑)

それで、王宮に着きましたが、王が出入りする門や憲兵にカメラを向けてはいけないということで、正面メインゲートの写真(上)です。(もちろん中には入れません)
前国王ハッサン2世の時代(1968年)に造られました。現在は国王がフェズに滞在するときに使用され、国旗の数が増え憲兵が増えるのでわかるそうです。
面積80ヘクタール以上を誇る広さがあり、黄金に輝く7つの扉があるそうです。

細かいタイル貼りに彫刻と細工がされた門です。

また南側に、旧ユダヤ人居住区(メラー地区)があります。2階が前に出た独特の建て方です。

メラーとは塩の意味で、昔塩の取引はユダヤ商人のほぼ独占だったそうで、スペインのグラダナのアルハンブル宮殿の無血開城レコンキスタ終了の後、多くのユダヤ人がイスラム教徒と共に、スペイン・イベリア半島よりこのモロッコに逃れてきたそうです。(現在はほとんどアメリカとイスラエルへ移住)

南の要塞跡の丘の上より、旧市街を見下ろしました。世界一の迷路の街です。

フェズはイドリス二世によって808年に建設されたフェズ・エル・バリ(旧市街)と
フェズ・ジャディド(新市街地)に分かれます。
旧市街地はぎっしり建て込んでいます、道が細いのでしょう、迷いそうです。
いよいよ旧市街地(メディナ)歩きです、青色のタイルが美しいブー・ジュルード門は1913年に建造されたフェズ最大の門で、メディナ(旧市街)の入り口です。
この門から2つのミナレットが見えます。

門に使われているタイルはマジョリカ焼で、外側は青色、内側は緑色で飾られています。

こちら裏側です。
先ほどの大きいミナレットは手の込んだ装飾があり、14世紀の神学校ブー・イナニア・マドラサで、その見学をしました。

14世紀にブー・イナニア王に建てられたマリーン朝最大の神学校です。大理石を敷き詰めた中庭には、中央に水盤があり、学生が授業やサラート(お祈り)の前に身を清めるために使用した。

壁面に彫刻された繊細な幾何学模様やタイルのモザイクが人間業とは思えないほど細かいです。2階は学生たちの宿舎として使われた小部屋があります。

日用雑貨が売られている通り、さらに細かい路地まで通り、本当に迷路のようです。迷い込んだら抜け出せなくなりそうです。

絨毯売り

タジン鍋

この通りでの運搬はリアカーかロバで、そこのけそこのけで人が避けます。観光客は仕事の邪魔をしてはいけません。

ロバも一休みです、昼は30℃を超えています。

アタリン広場、大きな2本の木があり、近くの陶器屋で、ミニチュアのタジン鍋を買いました。この辺の店舗は定価があってないようなもので、交渉して決めます。

ネジャーリン広場、旧市街地で一番の繁華街です。この広場には大工の仕事場があり、機械を使わず手で製作します。広場には美しいモザイクタイルの泉があり、その横の建物は昔は宿屋でしたが、今は木工芸博物館(左)になっています。

この通りに革製品、靴やかばん等の商品も多く、タンネリと言って皮の染色場があります。革製品のお店の3階に上がり、ミントの葉をもらい、生の毛皮の悪臭が立ち込めるために臭い消しにします。(鼻のそばにくっつけておきます)

独特の光景で、独特の雰囲気です。(人の大きさで広さがわかります)

その後ムーレイ・イドレス廟(墓・モスク)を見学しました。カラウィンモスクは異教徒は入れないので、入り口から中を見て通り過ぎました。



レストランに移動して昼食です。前菜に野菜がいっぱいです、豆の煮物の味が良く、他は味がないのですが、これが唐辛子のピリッとした味が入り、下のようにサンドにすると美味しかったです。

この次に三角形の春巻きみたいなものが出て、そうこうしているうちにお腹もいっぱいになったころ、名物料理のパスティーリャが出てました。
その大きさにびっくりです。
パイの生地に、鶏肉や玉ねぎに干しぶどう、アーモンド、ナツメヤシの実などが入り、上にココナッツが掛かっています。
美味しいけどボーリュームがあり、早く出してくれれば良いのに、遅いよ、と、言い合いました。(笑)
味付けも、食事なのかお菓子なのか、甘いのが…不思議でした。

午後からは、2組に分かれて、ガイドさんとさらに迷路の探索や買い物です。
この界隈でも、驚くほど安い土産物は、中国製がほとんどだそうです。それで銀製品のお店へ連れて行ってもらった時、こちらは本物ですと実演付きだったのですが、色々と商品を勧められる時にも、こちらは中国製品とは違うと強調されていました。
そんなさ中、裸電球が、ボーンと破裂しました。
その店にいた人一同みんなが指をさして、「中国製!」と言うので、大笑いしました。
電気製品も大半が中国製だそうで、日本製のソニーなど高くて買えないそうです。

その後一般家庭(民家)の見学をし、ミントティーをごちそうになりました。
こちら緑茶(中国製)にミントを煮出し、砂糖を入れて甘くして飲みます。私たちは緑茶に砂糖を入れる習慣はないので、砂糖抜きにして煮出してもらい、入れたい人だけ入れて飲むようにしてもらいました。

ちょうど見て来た立派な銀食器類で、味と香りを出すために上から落とすように入れ、撹拌します。
やはりお茶は砂糖なしのほうが良かったです。
こちらの方は甘党の方が多いようです、もう習慣でしょうね。

その後音楽演奏をしていただき、長い一日が終わりました。良く歩いたので足も疲れました。