るりとうわた

日常をつづる

渋谷で観劇


前の日に山へ行ったので、今度は街です。
昨日は渋谷のヒカリエにあるオーブで観劇した後、会場を降りてくると目の前に、夕景の富士山が見えるではありませんか!!
さすが17階の「宙空の劇場」と謳っているだけあります、絶景です。
そこでぱちりと撮影です、これは本当に感激しました。

観やすさと聴きやすさを追求したというこの劇場は今回2度目ですが、前回の3階席の印象が良くなかったので、今回はどうかな〜?と気になりながらの参加です。

クリスマスの飾りの前で待ち合わせです、街並みもクリスマスの雰囲気がして、気持ちはわくわくですが、まだ不況感は拭えません。
12階のレストラン街で昼食です。レストランの真下に見える渋谷駅は工事中です。上から丸見えで、まさに街の表情そのものです。

お昼は軽く、伊勢うどんにしました。お初です。

ただ、これがうどんかな?と言うお味で、まるで、小麦粉のお団子生地にに甘辛醤油を付けて食べているという感じでした。
うどんのこしもしまりもなく、だしの味もしない、といきなりうどん通の関西人になった感じです。(笑)
でもすごくラッキーなことが、観劇のチケットで1割引きになりました。
元々お昼を軽くしたのは、その後のデザートのためですが、注文して驚きました。

抹茶アイスがど〜んと3個も入って、これは重い重い。(笑)
ハーブミルクティもたっぷりあって、両方食べきれませんでした。
でも、やはりチケットを見せると1割引きになりました、これは良かった。

今日の演目は新感線の舞台「鉈切り丸」で、いのうえ版「リチャード3世」というところに興味が沸きました。


<スタッフ>
脚本:青木豪
演出:いのうえひでのり
音楽:岩代太郎

<キャスト>
森田 剛/成海璃子秋山菜津子渡辺いっけい千葉哲也山内圭哉、木村 了、須賀健太、宮地雅子/麻実れい若村麻由美生瀬勝久 他

<あらすじ>
時は平安、近江国
鳶の鳴き声が響く中、源範頼(森田剛)は、平家方木曾義仲の息の根を止めようとしている。
その姿醜く、顔には痣、背中に瘤。さらには片足を引きずり、馬にさえ乗れない。
幼名は鉈切りまる丸。へその緒を鉈で切られたことから由来する。
幼少の頃から鉈を振り回して剣術を覚え、その姿からは想像及びもつかないほど見事な剣さばきである。

義仲の妻・巴御前成海璃子)は、目の前で範頼に夫を斬られるが、夫への忠誠を尽さんと気丈に振舞う巴に、心奪われる範頼。
剣以上に長けたその口で、足早に逃げる巴の背中に豪語した。「どこまでも追ってやる。この先どこへ逃げようと、この国は鉈切りの支配下になる」

時は経ち、所変わって鎌倉。
範頼の兄・源頼朝生瀬勝久)は、弟・源義経(須賀健太)と家臣・梶原景時渡辺いっけい)、和田義盛木村了)に壇ノ浦の戦いで平家を滅亡させた様子を訊ねている。
安徳天皇の母・建礼門院(麻美れい)の生き霊に取り憑かれ、一切を語ろうとしない義経の身を案じて範頼は、頼朝と頼朝の妻・北条政子(若村麻由美)に、義経の京都行きを提案。
これは義経の兄への忠義を試すための策であることを耳打ちする。
頼朝と政子は、この一件を機に範頼に絶大なる信頼を置くようになる。範頼の腹に一物があるのも知らずに・・・。

京都にて朝廷から頼朝よりも先に官位を授かった義経とその一行は、鎌倉へ帰る途中に女郎屋へ立ち寄る。
おかみ(宮地雅子)から義経の忠臣・武蔵坊弁慶千葉哲也)にあてがわれたのは、逃げ延びた巴御前と、範頼の母・イト(秋山菜津子)だった。
イトから範頼出生の秘密を聞いた巴は、仇討ちの策を練っていた。
そこへ、義経に謀反の濡れ衣を着せて討とうとやってきた範頼。
送り込んでいた密使が討ち取られたのを知り、義経に寝返るふりをする。

兄・頼朝と弟・義経を陥れて、天下を獲りたい。たとえ血まみれ地獄になろうとも、この世を言いなりにしたい。
すべてを手に入れるため、範頼=鉈切り丸は悪の限りを楽しむと決めた。
果たして鉈切り丸は望み通り天下を手中に治め、大江広元山内圭哉)の記す歴史書吾妻鏡」にその名を残すことができるのか......。それとも......。

巨悪を愛して生きてきた鉈切り丸、諸悪の根源は血か縁か運命か動乱の世か。
シェイクスピア作品登場人物史上の最悪党・リチャード三世に、鎌倉期を写した『吾妻鏡』に記されることなく、その存在を抹殺された源範頼を重ねた、残忍残虐極悪非道の物語。

これ、話の構成としてはすごく面白い展開です、舞台の中に「吾妻鏡」の執筆者大江広元を脇に起きながらストーリーが進むのですが、為政者がここはこう書けとか、これは書かなくていいとか歴史書と言うのは都合よく書かれた物であることを暗示しているようでもあるわけです。
そしてそれは現在の秘密保護法案と同じということですよね、為政者の都合の悪いことは隠すわけですから・・・、つい結びつけて観てしまいました。
そして鉈切り丸は「俺が歴史を書き換えてやる」と悪行を尽くして権力を獲ろうとします。
まあ、それは叶ぬことで、歴史通りとなるのですが・・・
悪は栄えぬという結論でもあるのですが、まあ内容は暗いです。

それと、これは始まる前にがっかりしたことですが、3階席は6列座席があり、またもや私たちはその6列目だったのですが、3階席の観客は6列目と5列目にいて、前の席はほぼ空席でした。
3人ほどが1列目にいただけで、あとの観客は5と6列目の壁にくっているのです。
前の席からチケットを売るのが普通だと思うのですが、後ろの席から売るなんてびっくりです。
だから、舞台との間に空間が出来て、その距離感がさらに舞台を遠いものにしてしまいました。
舞台からもあれでは、3階席に観客がいるとは思わないのでは無いでしょうか、ほぼ演者も3階席の方を見ることはなかったです。
舞台がただただ遠かったです。外の景色は素晴らしいいでした。
それと前にも書いたのですが、前の鉄柵が目の位置になり、舞台を横切ってしまい、かがまないと舞台全体が見えません、とても「観やすい」とは言えません、観劇する人の立場で設計して欲しいです。(以前と感想が同じになりました)