るりとうわた

日常をつづる

連続舞台鑑賞

先週のことですが、突然花粉症になり、それから涙と鼻水が止まらなくなり、病院へ行くか?と迷いながら、薬局の目薬と、飲み薬で済ませることにしました。
相変わらず、気温が不安定で、寒いかと思えば、3月下旬の陽気と、出掛ける時に着て行くものに思案します。
そこで、先週末は、金曜日に日生劇場で、「ビッグ・フイッシュ」のミュージカルを観て、土曜日に三軒茶屋のシアタートラムで「お勢登場」を観劇してきました。嬉しい週末でした。


ミュージカル『ビッグ・フィッシュ
2017年2月7日(火)〜28日(火)@日生劇場

<スタッフ>
脚本:ジョン・オーガスト
音楽・詞:アンドリュー・リッパ
演出:白井晃振付:原田薫/Ruu
衣裳:前田文子

<出演>
川平慈英/浦井健治/霧矢大夢/赤根那奈(夢咲ねね 改め)/藤井隆/JKim/深水元基
鈴木福・りょうた(Wキャスト)
鈴木蘭々/ROLLY

チャーリーとチョコレート工場」「アリス・イン・ワンダーランド」で世界中にファンを持つティム・バートンが2003年に監督した「ビッグ・フィッシュ」は、ユアン・マクレガーアルバート・フィニーなどの名優が出演し、ファンタジックで温かな家族の愛を描いて日本でも大ヒット。
その「ビッグ・フィッシュ」が2013年にブロードウェイの舞台でミュージカルとして甦り、物語の魅力はそのままに、全編に渡り美しい歌と楽しいダンスで彩られ、更に大きな感動を巻き起こしました。
待望の初上陸を果たす日本版の演出は、『ロンドン版 ショーシャンクの空に』『アダムス・ファミリー』『No.9−不滅の旋律−』『マハゴニー市の興亡』など、確かな演出力で数多くの話題作を生み出した白井晃が手掛けます。
幕が下りたあと、家族と話したくなる――暖かくて美しい愛の物語にご期待ください。

これは家族の物語です。
鈴木福君が浦井健治の子供時代を演じ、また今度は浦井健治の子供役を演じと、親、子、孫へと繋がるお話です。
時々映画みたいだと感じる点があったり、同じ舞台上に、お父さん(川平慈英)の若いころの話を舞台中央で演じ、その話を聞いている息子の子供時代が右の舞台上であり、左の舞台上ではそれを思い出している今の息子が居て、という具合に、過去と現代が同時に展開されていきます。
そうして、息子はお父さんの本心をたどっていき、和解する心温まる物語です。

ご自身が俳優でもあり、最近は演出舞台が多い演出家の白井 晃さんの言葉です。
「「映画『ビッグ・フィッシュ』はティム・バ、ートン監督の最高傑作だと私は思っている。父と息子の確執と和解を描いたこの作品は、誰しも心当たりのある親と子の物語だ。人は親に歯向かって成長し、そうすることでやがては真の愛を理解していくものだ。そんな姿をミュージカル版『ビッグ・フィッシュ』は、素晴らしい音楽に乗ってショー的要素たっぷりに、思いっきり楽しく描いてくれる。だからこそ、その愛の深さは映画よりもっともっと甘く切なく伝わってくる。」




土曜日は、世田谷場ブリックシアター、ここの会場は私が大好きな会場で、ほぼ600席、程よいい大きさです。
それが、15分前ぐらいに劇場につくと、何と[本日閉館]の文字が・・・
??脳内ハテナ?で、一瞬固まってしまいました。
するとその横に、地図が貼ってあり、シアタートラム会場はこちら、と載っていて、もしや?私の会場はこちらか、とチケットをよく見ると、シアタートラムと書いてありました。
それはキャロットタワーではなく、隣の六角形の建物だということで、慌てました。
間に合ってよかったです。
そこは小劇場で200席余りで、15列目先ぐらいが、もう舞台です。
会場の割には舞台は大きいです。ここで、私のチケットに書かれていた「トラム席3番」という不思議な席を係りの方に尋ねると、案内してくれました。
舞台後方に、2本の棒がお尻に当たる高さで立っています。これが席といえるかどうか疑問ですが、一応お尻と背もたれになる部分にはクッションが巻かれています。
そこにもたれていると、車椅子の方が5人ほど案内され、後は盲導犬を使用している方が2名、案内されてきました。
今まで、そういう方が観劇できる設備の劇場がなかったということかしら。
盲導犬は大人しく椅子の下に伏せました。


【原作】 江戸川乱歩

【作・演出】 倉持裕

【出演】
黒木華 片桐はいり 水田航生 川口覚
粕谷吉洋 千葉雅子 寺十吾 梶原善

大劇場から小劇場まで、演劇界で縦横無尽に活躍する倉持裕の新作『お勢登場』が、2017年2月、シアタートラムに登場します。大正〜昭和にかけて活躍した文豪・江戸川乱歩の短編世界をモチーフとし、8本の短編小説を、1本の演劇作品として再構成します。
モチーフとなるのは、<本格推理もの>より『二銭銅貨』『二癈人』『D坂の殺人事件』、<怪奇・幻想もの>より『お勢登場』『押絵と旅する男』『木馬は廻る』『赤い部屋』『一人二役』という、乱歩の魅力あふれる作品たちです。

倉持は、世田谷パブリックシアター芸術監督・野村萬斎が企画・監修を務める「現代能楽集」シリーズにおいて、2度にわたり作品を手がけています。能・狂言をベースに新たな作品を創り上げる同シリーズでは、既存の物語に現代の息吹を吹きこみ生まれ変わらせる倉持の手腕が光り、好評を博しました。「現代能楽集Ⅶ 『花子について』」(2014年)では、能・狂言のみならず、三島由紀夫が能を近代劇へと翻案した「近代能楽集」を下敷きとした倉持が、再び文学界の巨星に挑みます。

これはもう、面白かったです。
もちろん生声で、役者は7人で、何役も演じる人もいます、黒木華さん以外は皆さんそうでした。
芝居を演じて芝居を見せると言う感じで、片桐はいりも上手いです。内容は大正期の江戸川乱歩作となると、ちょっとおどろおどろで退廃的な女性像ではあるけれど、黒木華さんが悪女を演じていました。

当日券販売の文章を紹介します。
倉持裕の新作『お勢登場』が好評上演中です。
初日を終えた心境を語っていただいた「初日コメント」の中で、倉持自身が「『お勢登場』は、自分の得意技である構成力を発揮できた作品だと思っています」というように、
江戸川乱歩の8本の短編小説を、入れ子構造の複雑な手法で1本の演劇作品として編み上げた作品です。
「お勢」を演じる黒木華は「見てくださる方が思わずドキッとするような不思議な魅力をまとえるよう、お勢の悪い部分、可愛らしい部分などをこれから更に膨らませていきたい」とコメントを寄せました。
そして、数々の舞台で名演を見せてきた片桐はいり梶原善も「人間がそれぞれ自分の裏側で隠していること、その多面性をお芝居の中で浮かび上がらせるようにできたらと思っています」(片桐)、
「この作品は、おかしみのある普通の人間たちが、お勢という記号に嵌って突き進んでいくというところに面白みがあると感じています」(梶原)と作品の魅力を語っています。」