るりとうわた

日常をつづる

木香薔薇と観劇


やはり例年より、早くも木香薔薇が咲き始めました。
もう5月の花が咲いてしまう感じです。

ウォーキングをするのに、この間までは防寒に気を遣っていたのに、今では、もう暑さ対策が必要です。
ただヒノキの花粉症がひどかったので、出掛ける用事が続いていた日は薬を飲んでいましたが、市販のお薬なので、自分で辞めようと慣らしています。
木香薔薇が咲いたら、早やツツジも咲き出しました。

これも1週間以上早い気がします。
日本の四季が無くなりましたね、合服を着る時期が無くなり、すぐに夏服になりそうです。
今年も猛暑の夏が続くのでしょうか。気になるところです。
気になると言えば、日本の政治の行方も大いに気になります。
森友、加計問題とさらに問題の続く財務省のトップの事務次官のセクハラ問題と、日本が政治的後進国だと言うのが露呈したような・・・

そんな中、観劇してきた新国立劇場のセット券の第2弾は「1984」です。

原作のジョージ・オーウェルの小説『1984』は、1949年に刊行されて以来、いまだに多くの国で愛されているSF文学の金字塔だそうです。去年は大統領がトランプ氏になり、アメリカで爆発的にヒットしたそうです。

「1984」
新国立劇場の開場20周年記念となる2017/2018シーズンにおいて、ジョージ・オーウェルの傑作小説を原作に監視社会の恐怖を描いた『1984』が2018年4月〜5月に上演される。ロバート・アイクとダンカン・マクミランによって書かれた脚本を、現・新国立劇場演劇芸術参与であり次期同芸術監督に就任予定の小川絵梨子が演出する。出演は、井上芳雄 大杉 漣ほか。

1984』は、新国立劇場が現代欧米戯曲の日本未発表作品を上演する企画第6弾であり、2014年にオリヴィエ賞にノミネートされた作品。1948年に執筆された、ジョージ・オーウェルの傑作小説『1984』を元に、その小説の中にある"附録"に記された「ニュースピークの諸原理」の意義に迫って戯曲化された。核戦争後の全ての人々が監視され統制されている1984年の社会を、"附録"が書かれたと思われる2050年以降に生きる人々が分析、やがて小説の世界へと入っていく……。

ものがたり
時は2050年以降の世界。人々が小説『1984』とその"附録"「ニュースピークの諸原理」について分析している。過去現在未来を物語り、やがて小説の世界へと入って行く……。
1984年。1950年代に発生した核戦争によって、世界はオセアニア、ユーラシア、イースタシアの3つの超大国により分割統治されており、その3国間で絶え間なく戦争が繰り返されていた。オセアニアでは思想、言語、結婚等全てが統制され、市民は"ビッグブラザー"を頂点とする党によって、常に全ての行動が監視されていた。
真理省の役人、ウィンストン・スミスは、ノートに自分の考えを書いて整理するという、発覚すれば死刑となる行為に手を染め、やがて党への不信感をつのらせ、同じ考えを持ったジュリアと行動をともにするようになる。
ある日、ウィンストンは、高級官僚オブライエンと出会い、現体制に疑問を持っていることを告白する。すると反政府地下組織を指揮しているエマニュエル・ゴールドスタインが書いたとされる禁書を渡され、体制の裏側を知るようになる。
はたして、この"附録"は誰によって、どのように書かれたのか? それは真実なのか? そして今、この世界で、何が、どれが真実なのだと、いったい誰がどうやって分かるのだろうか……。

◆キャスト
井上芳雄ともさかりえ森下能幸/宮地雅子/山口翔悟/神農直隆(大杉漣さん予定でした)/武子太郎/曽我部洋士
スタッフ
原作=ジョージ・オーウェル 脚本=ロバート・アイク ダンカン・マクミラン 翻訳=平川大作 演出=小川絵梨子

感想は?と聞かれたら、ない、と答えたい。
見なかったことにしたい舞台かな??
という訳にはいかないのですが、暴力シーンが耐え難い・・・
拷問の場面ですが、
本としてなら、想像で描くので、あり得ますが、それを演劇としてリアルに描かれるのは、どうなんだろうと・・・
しかも、こちらが加害者になった気分で、傷つくというのはどうだろうと・・・
ただそう感じてもらえれば、恐怖政治の本質を捉えられ、演劇として成功と言うものでは無いと思いますが。
まあ好みの問題かな、私は嫌だな。

井上芳雄さんは何度も観ていますが、ともさかりえさんは初めてでした、細い方だけど、中々知性的で魅力のある方でした。
本当に大杉漣さんを楽しみにしていたのですが、お亡くなりになられて残念でした。
時々、神農直隆さんの役に、大杉連さんの演じている姿が浮かび、個性的な方だったな〜と、強く感じました。

とにかく演じる方も大変でしょうが、観る方も大変でした。(笑)
どんどん客席が静まり返る・・・
前回の「赤道の下のマクベス」も、2幕一場で、汚い環境で、きたない衣装で、その役者の演技のみが頼りの見る方も中々厳しい舞台でした。
それでも終わった時には、舞台と客席に通じるものがあったと、私も思わずスタンディングで拍手しましたが、客席のほぼ3分の一は立ち上がって拍手で応えました。
前回は、そういう舞台上と観客の間に熱いものが流れました。
今回はどんどん冷めて行くのを感じ、カーテンコールと2回拍手をするのが精一杯でした。
もっとも演者に罪はないですけどね。
早くこの世界から出たいと思いました。

時間が行ったり来たりで、本を読んで行った方がいいかもしれません。
組織と個人という点で、色々感じるところはありましたが、拷問の部分が強烈すぎるのはどうか?と感じました。