るりとうわた

日常をつづる

舞台観劇


昨日日生劇場へ舞台観劇で、行ってきました。
始まるまで、日比谷シャンテで、ブラブラとウインドウショッピングしました。
最近近所でもそうですが、チラシでも冬物バーゲンをやっていますが、早くないですか?
今までは、2-8[にっぱち]と言って、冬物は2月に安かったはずなのですが、ここ日比谷シャンテでも大バーゲンをしていて、そっちに引き込まれそうになりました。
手持ちのお金がなかったから、1400円のインナー一点で収めましたが、他にもパンツ、ジャケット、バッグ等々まだこれから使えそうなものが半値以下になっていたので、お金さえあれば買い出ししたいほどでした。
メインは観劇だったので、1400円の出費のみで済ませました。(笑)

で、本題です。

『黒蜥蜴』

世界的な英国演出家 デヴィッド・ルヴォーが憧れ続けた『黒蜥蜴』をついに演出!


江戸川乱歩の長編探偵小説で、1961年に三島由紀夫が戯曲化した『黒蜥蜴』。
日本に魅了され続けてきた世界的な英国演出家 デヴィッド・ルヴォーが、敬愛してやまない三島由紀夫が残した最高傑作戯曲の一つを、長年夢に描いてきた演出プランで実現します。新たに生み出される『黒蜥蜴』の耽美な世界にどうぞご期待下さい!!

【ストーリー】

一代で財を築いた宝石商・岩瀬庄兵衛は、娘の早苗を誘拐するという脅迫状に脅え、私立探偵の明智小五郎を雇う。大阪のホテルに身を潜める父娘の隣室には、岩瀬の店の上客である緑川夫人が宿泊していたが、実は彼女こそ、誘拐予告をした張本人の女賊・黒蜥蜴。

黒蜥蜴は、部下の美しい青年・雨宮を早苗に紹介すると見せかけ彼女を奪い去ると、そうとは知らずに犯人を警戒し続ける明智の前に、何食わぬ顔で現れる。クールでいながら、「犯罪」へのロマンティックな憧れを隠さない明智に魅入られた緑川=黒蜥蜴は言う。
「要するにあなたは報いられない戀(こい)をしてらっしゃる。犯罪に對(たい)する戀(こい)を」。

明智はすかさず切り返す。
「でも己惚れかもしれないが、僕はかう思うこともありますよ。僕は犯罪から戀(こい)されてゐるんだと」

自信に満ちたその態度を裏打ちするかのように、明智は見事に早苗を奪還してみせる。が、黒蜥蜴は怯まない。美の狩人・黒蜥蜴VS.名探偵・明智小五郎の勝負は、報われない結末に向かってさらにヒートアップしてゆく……。

【公演概要】


原作:江戸川乱歩
脚本:三島由紀夫 
演出:デヴィッド・ルヴォー

出演:
中谷美紀
井上芳雄
相楽 樹
朝海ひかる
たかお鷹
成河

なんと言っても黒蜥蜴と言えば、美輪明宏さんが有名で、もう代名詞みたいなものですから、もっとも観劇は一度もしていませんけど、印象は持っています。
今回は中谷美紀42歳、井上芳雄38歳という、若々しいコンビの作品でした。
とにかく緑川夫人と言うか、黒蜥蜴は膨大なセリフがあり、一人で状況から心境まで吐露して展開する場面も多く、大変な役です。
衣装も多く、早着替えなどもありました。
ただ色彩的に、白から黒と無彩色の舞台に、衣装もそうで、中谷さんの衣装は黒が多く、まあ黒蜥蜴というぐらいですから、それでいいのですが、
きっと座席の前の方には、絹だのベルベットだの、生地の感触や厚みの違いも見えたでしょうが、後方席の者には、まったくそれは分からず、また黒い衣装、またと言う具合で変化が感じられなかった。
その衣装に少しでも色(たとえば紫いろの線とか)を添えてあれば、沢山の衣装替えがもっとわかったことでしょう。
演出家のデヴィッド・ルヴォーさんは、井上芳雄さんの『ルドルフ〜ザ・ラスト・キス〜(2012年帝国劇場)』を見ましたが、独特の絵画のような美的センスの舞台づくりで、今回もそうでした。
舞台のセットや道具類も、無彩色で、ドアだけが3つか立っていて、ホテルの部屋を表したり、棒だけで、船の甲板を表現したりと、シンプルな舞台づくりに美的センスが光ります。
だからこそ、セリフの展開に、抑揚がないと単調な流れになります。

その舞台装置のなさを補うのが、生バンドと二人のダンサーだったのかな?という気がします。
エロティズムとダンディズム、大正ロマンか、昭和初期のおどろおどろの世界観か、とにかく難しいです。
それへの若い二人の挑戦だったような気がします。
二人の熱演がひかりました。