るりとうわた

日常をつづる

雪と舞台観劇

一昨日が我が家の初雪でした。

この日は踊りの稽古日でした。
天気予報で、悪天候が予想されたので、場所を街中にして、時間を2時間繰り上げて11時半から始まりました。
集合したころはみぞれ交じりの雨でした、東京はすでに降っていたようです。
短縮して2時間で切り上げた1時半ごろには、雪はしっかりと積もり始めていました。

娘が会社から、様子を教えてと言うので、上の庭の写真や、下の写真を撮って送りました。

雪は東京方が多いらしい。
早帰りになりそうだから、4時頃出ます。というメールでしたが、4時じゃ遅いでしょう。
今2時ぐらいですが、出るなら今よね。と夫話しました。
テレビを見ていると、4時頃に終わった会社が多く、その帰宅組がどっと駅に溢れ返って、動かない様子が流れていました。
想いは皆同じですよね、2時間早く各社が切りあげて終了すれば、5時頃の各駅は大混雑です。
山手線がすでに各駅で停車しながら動くので、新宿までたどり着けない、道中何とか品川にホテル(東横IN)が取れたから泊まると連絡が入りました。
それで一安心でした。
結局翌日の出社も大変になりますから、良かったです。
ただ、そこから品川に行くのが大変だったようです。品川駅の混雑がテレビで放映されていました。
多くの電車が都心に乗り入れし、遠くまで通勤圏になりましたから、当然の混雑で、どれぐらい多くの方が移動しているのかを考えれば、地震でも起これば大変な事になります。
雪だけでもこの状態ですから。

我が家は写真を撮った夕方に向かう時間帯が最高で、それ以降は止んでしまいました。
東京が良く降る時は、やはり反対になるようです。
翌日は、私の観劇日で、新国立劇場の中劇場で、席番がいいので、これは是非とも行かなければ。(笑)

仕事もそうですが、これでは文化も東京の一極集中化ですね。
分散する必要があると思います。
新宿に向かうにつれ、我が家では完全に溶けてしまった雪が、まだまだ沢山、東京には残っていました。

昨日の↑新国立劇場前の通りです。
透明の屋根の上にも日差しがあるのに溶けない雪です。

こちらが正面入り口です。

中に入ると広々としています。


新年の生け花でしょうか、素晴らしいです。

本日の出し物はこれ、

近松心中物語』

蜷川幸雄演出舞台で名高い不朽の名作『近松心中物語』が、劇団☆新感線いのうえひでのり新演出で甦る。


堤真一×宮沢りえ共演で彩る、燃え上がる男女の情念と究極の愛!

現代演劇の伝説といわれ、上演を繰り返すたびに話題を呼んだ蜷川幸雄演出『近松心中物語』。彼がかつて口にした「いのうえの近松が見たい・・・」の言葉が、ついに実現! いのうえ演出のダイナミズムとエンターテインメント性が融合した独自の美学が、美しくも哀しい物語を艶やかに紡ぐ。忠兵衛と梅川、与兵衛とお亀の2組の男女を中心に描かれる究極の愛・・・。新たな伝説の幕開けをどうぞお見逃しなく!

あらすじ

時は元禄。大坂新町の廓に、小道具商傘屋の婿養子・与兵衛が、折り合いの悪い姑お今に追い出されて身を沈めていた。亭主の身を案じて悲しむ娘のお亀をみかねて、お今は与兵衛を連れ戻しに新町にやってくる。連れ戻される与兵衛とは対照的に、廓に縁のなかった飛脚屋亀屋の養子忠兵衛は、店の丁稚が拾った封書を届けるために、親切心から新町に足を踏み入れる。飛脚仲間の誘いを振り切って店を立ち去ろうとする忠兵衛だが、その時、出先から遊女梅川が戻ってきて・・・。

キャスト

【亀屋忠兵衛役】堤 真一
【遊女梅川役】宮沢りえ
【傘屋与兵衛役】池田成志
【お亀役】小池栄子
丹波屋八右衛門役】市川猿弥
【亀屋後家妙閑役】立石涼子
槌屋平三郎役】小野武彦
【傘屋お今役】銀粉蝶
ほか

見どころ

堤真一宮沢りえなど豪華キャスト集結!いのうえひでのりが新たな近松の扉を開く

運命的な恋に落ちる忠兵衛と遊女梅川を演じるのは、堤真一宮沢りえ。可笑しみをまといながら、人間の等身大の哀しみや苦悩を背負った夫婦に、小池栄子池田成志。実力、人気共に兼ね備えた個性豊かな役者達と演出家いのうえひでのりがタッグを組んだ、アッと驚く新しい近松の世界をお楽しみに。


そして、

蜷川幸雄が、何度も冒険的な新しい演出に挑み続けた伝説の舞台『近松心中物語』

近松心中物語』は、近松門左衛門の世話物『冥途の飛脚』『ひぢりめん卯月の紅葉』など3篇を、劇作家の秋元松代が大幅に構成し直し、独自の物語性を盛り込んで書き下ろした戯曲。古典の題材を扱いながらも、現代社会のしがらみや葛藤を描いた現代劇でありながら、元禄の群集たちの哀感や生命力までもが織り込まれた斬新な群像劇としての魅力が盛り込まれている。1979年の初演以来ずっと蜷川幸雄が新演出に挑戦し続け、上演のたびに多くの人たちを魅了してきた。 」

この蜷川幸雄さんの舞台を観ていないので、くやしいことに、いのうえひでのり新演出の舞台とどう違うのかが、書けないのです。

凄く良かったです。メリハリがあって、一気に観客も集中力が途切れずに、最後まで観劇できます。
舞台装置も、大掛かりで見栄えもするし、蜷川風でもあるし、いのうえ風でもあり、どっちのセンスなのか、比べて言うことが出来ません。
蜷川さんの『近松心中物語』も新・『近松心中物語』も観に行こうと思ったのですが、実行できませんでした。
やはり思った時には行くべきだな〜と今頃後悔しています。
作者が一緒だから脚本は変わっていないのかな?
小池栄子池田成志がまた、よかった。堤真一宮沢りえ近松の世界なら、小池、池田組は現生の世界で、世の中、あんな美女と美男ばかりじゃない、普通の顔して、普通の恋して結ばれ、死の捉え方、まあ心中に関しても、普通にそう考えるだろうと思わせてくれます。
コミカルに演じられ、笑いを誘うのですが、かと言って近松の世界を壊すものでは無い。
壮絶に美しい雪の吹雪の世界は、絵のごとく美しいでした。
でも、この演出は?蜷川さん?いのうえさん?と・・・、以前から紙吹雪は凄いと言われていたし。
とにかく私自身が悩ましい、です。(笑)

では、3者のコメントです。

演出・いのうえひでのりのコメント

「いのうえは、あの「近松」をどう見せてくれるのか……」という皆さんからの無言のプレッシャーをヒシヒシと感じながら、日々稽古に臨んできました。何と言っても、「近松心中物語」は、まさに「蜷川スペクタクル演出」の真骨頂であり、「蜷川歌舞伎」とも言える様式美がありました。そこはあえて抵抗せず、リスペクトしながら、僕なりの形で継承したいと考えています。物語の主軸は、二組のカップルが心中へと向かうまでのシンプルでストレートな話。とてもスピーディな展開に笑いもあります。それを気心の知れた堤くんやりえちゃんたちと一緒に、僕たちのリズムとやり方で、新しい「近松心中物語」が作れたのではないか、と思っています。

亀屋忠兵衛役・堤真一のコメント

「愛を貫くために死を選ぶ」という決断が、現代のお客様に果たして納得していただけるのか、、、
それが稽古前に考えていた課題でした。物語自体もシンプルで、出会ってすぐに恋に落ちて、身請けのために公金に手を付けて、心中へと突き進むという三段跳び的な唐突感もある展開(笑)。もちろん、りえちゃんが美しいので、一目惚れの設定には一番説得力がありますが(笑)、忠兵衛の心情面では、僕自身の中でロジックをきちんともって、忠兵衛と梅川の心の動きに真実味をしっかりと見せられるよう心がけて稽古を積み重ねてきました。いよいよ開幕です。いのうえさんと信頼できるメンバーたちと創る現代演劇としての『近松心中物語』を皆さんにお見せしたいですね。

遊女梅川役・宮沢りえのコメント
秋元松代さんの台詞はとても綺麗でストレート。いのうえさん演出の独特の゛魅せる“表現の仕方もあり、稽古に入る前までは、実は、少し気恥ずかしさも感じていたんです。これを自分のものにするには、相当のパワーが必要だと覚悟していました。でも、稽古を重ね、堤さんたちと台詞を重ねていくうちに、これは、梅川の人生の中で、心から血を流しながらも清らかな水のように出てくる言葉なのだと、自然に腑に落ちてきました。忠兵衛・梅川の純愛を、私たちの演技で感じてもらえるようにしたいですね。また、最初に創られた蜷川さんをリスペクトしながら、私たち全員が同じ熱量で新しい物語を成立させれば、お客様の記憶に深く刻まれる作品にできる、と思っています。