るりとうわた

日常をつづる

中秋の名月

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鏡のように明るい、丸い月です。

UPの写真はボケましたね。

こちらの方がピントが合っています。

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綺麗な月です。

そして早くも10月となりました。

菅新政府になって2週間が経ちました。

安倍政権の後を継いだだけで、新しく感じるものはなく、表向き働く内閣という政権だそうですが、それに対し高い支持率を得ています。

首相と官房長官は一心同体ですから、安倍政権と根本的に変わらないのではと、私は思います。

若い、作家の方の呟きです。毎日新聞

中村文則の書斎のつぶやき

機能しないマスコミ

報道に触れると、やれ菅義偉首相が苦労人であるとか(別にお金持ちの生まれだが)、パンケーキが好きだとか(いや、というか、大体の人は好きだろう)、とにかく好感を抱かせるように持ち上げるものが多く、正直気持ち悪かった。

 安倍政権が終わっても、マスコミの一部は忖度(そんたく)や、「よいしょ」することを一時も我慢できないらしい。そして政権の支持率が高めだった結果を受け、そのマスコミが「菅政権の支持率の高い理由」を分析していたのには飲んでいたコーヒーを噴き出しそうになった。「私たちがよいしょしたからでやんす」とでも書けばいいんじゃないか。

 日本は第二次大戦の敗戦までの17年間で、実は政権が17回も代わっている。明確な独裁者がいないのに独裁が続き、亡国へ突き進んだ世界でも稀(まれ)で特殊な国だった。その特殊性の片鱗(へんりん)が、再び見え始めたのかもしれない。

 安倍政権の数々の失態の責任が菅氏にもあることは、国民の多くは知っている。でも、もう社会は余裕がなくなっていて、悪い部分を見たくない人が増えている。コロナ禍で、菅氏に期待するしかなくなっている。そしてさっそく行われたのが、中曽根康弘元首相の葬儀に約9600万円の税金を使うという、度胆を抜かれる閣議決定だった。

よくもまあ社会がコロナ禍で喘(あえ)いでいる今、こんな桁違いなことができるものだ。慣例を変える気もないようで、身内贔屓(びいき)の安倍政権を継承しているだけはある。でも扱いが弱いマスコミもまだ多いこともあり、恐らく大半の人は目をつぶる結果になるだろう。これからも、人々はまともな政治をしてくれると信じながら、裏切られる度に目をつぶり続けることになるだろう。目をつぶらないと考えねばならず、しんどいからだ。もう数年前に小説で書いたことだけど、日本社会はもっと前から全体としては自律から他律に変化しており、独裁政権もウエルカムになっていると僕は感じる。なのに肝心の安倍氏加計学園やら伝説のアベノマスクやらで、さすがにこれはない、となっていたに過ぎない。

 なので菅首相は、大抵の失敗なら大丈夫だと思う。社会そのものがマスコミを筆頭に機能しておらず、媚(こ)びへつらう記者やライターも、是々非々のふりをして実は政権をさりげなく擁護し、野党を貶(おとし)め続けるテレビコメンテーターたちも多数健在なので、今は与党天国だからだ。政治に緊張感もなく、安倍政権と同様やりたい放題だと思う。恐らくこの先の未来にあるのは、どん底の不景気の中で富裕層だけが富み、他の人々は互いに自己責任だと罵(ののし)り合う、しかも男尊女卑がさらに進んだ社会だろう。もうその片鱗も見えている。

 さて、このような社会で野党は何をすべきか。彼らが言うことの多くは「いいこと」で「まとも」である。だがもう、まともなことを言うだけでは、一定の支持しか得られない。社会が以前と違うからである。

 そもそも人々は政治家を信じていない。与党も野党も「いいこと」を言うが、できると思われていない。なので、弱い者いじめをしそうで強そうな人物に人気が集まる。政治家はいいことはしないが弱い者いじめはするからで、その弱い者の側に自分たちが入っていると人々は信じたくないので、弱い者いじめの結果「こっち側」に富が回ってくると感じる人が多いように思う。つまりそれだけ社会が荒(すさ)んでいる。

 ではどうするか。それでも、野党は「まとも」なことを言わなければならない。「いいこと」を言い続けなければならない。でもそれだけでは足りない。補うべきは、ちょっと変なことを書くが、「ユーモア」ではないだろうか。意外と重要だと思うが、どうか。

 マスコミも、もう少し与野党の討論の機会を増やしたらどうだろうか。マスコミがこんな状態なら、政治や社会問題に興味を持つ人々が減るのも当然だと思う。日本の民主主義は衰退する一方で、そのような国の未来が明るいはずがない。


 ■人物略歴

中村文則(なかむら・ふみのり)さん

 1977年愛知県東海市生まれ。福島大卒業後、フリーターに。2005年「土の中の子供」で芥川賞、10年「掏摸<スリ>」で大江健三郎賞など。作品は各国で翻訳され、米国デイビッド・グーティス賞を日本人で初めて受賞。この「書斎のつぶやき」も一部収録した初エッセー集「自由思考」を19年に刊行。今年4月、新作小説「逃亡者」を刊行。

 菅さんを、”令和おじさん”で”かわいいと人気があるなんて、どこで言ってる話かと思いました。

マスコミの作り上げですよね、今の朝ドラの「エール」は第2次世界大戦の真っ最中、アジアへ侵攻していく日本で、世論の統制が始まっています。

同じような時代が来ないためにも、マスコミの在り様は大切ですね。

そして民主主義の成長が、必要でしょう。

きっと月はなんでも見ていることでしょう。世の鏡であって欲しいですね。