るりとうわた

日常をつづる

アイルランド(おわり)


7日目、アーマーの聖パトリック大聖堂を訪れた後、途中アイルランド人の心のふるさと、タラの丘に寄りました。
タラの丘とは晴れた日には、アイルランドの70%が見渡せる(本当かな?)と言うほど四方に何もなく見晴らしのいいところで、石器時代後期から、古代ケルト人たちはタラの丘で王を選出し、戴冠式を執りおこなってきました。
それだけでなくタラの丘がアイルランドの政治的、精神的中心地であったと見られています。


今はこのように、立石やお墓があるだけです。
5世紀頃に、アイルランドに聖パトリックがキリスト教を伝えます。
以来、アイルランドは、ケルト文化とその伝統を引き継ぎながらも、カトリックの国として繁栄するのですが、やがて隣国イギリスに力で押さえられ17世紀に植民地化されます。
それ以来独立運動がおこり、アイルランドに居られなくなった活動家はアメリカへと亡命したり、その後1845年におこったジャガイモの大飢饉で、死者100万人、アメリカへの移住100万人とも言われています。
風と共に去りぬ」の主人公スカーレット・オハラは、そのアイルランドからの移民の中では裕福な移民で、成功し大農園を拓き、その農園にアイルランドの聖地タラの名前をつけたということです。
アイルランドの現在の人口500万人にたいして、アメリカに渡ってきたアイルランド系移民の子孫たちの人口は3500万人だそうです。
カトリック教徒が多く、差別を受けたそうですが、力仕事の多い、警官や消防士の仕事は今でも多いそうで、そう言う職業に付けなかった者の中にはマフィアになった者もいたということです。
アイルランドアメリカ人の中には、ケネディ一家や、レーガンクリントン元大統領や現オバマ大統領の母方もそうだそうです。
クリント・イーストウッド監督や、グレース・ケリージョニー・デップや、ウォルト、デズニー、ジョン・フォードと多くの有名人がいます。

その後、アイルランドの首都ダブリンへ戻ってきました。(最初の日、ダブリンから出発でした)
夕飯はアイリッシュダンスを見ながらの食事でした。

8日目は午前中は市内観光で、最初にアイルランドで一番大きな教会聖パトリック大聖堂です。

そしてビルの中にある、国立美術館の見学です。

フラッシュを付けなければ撮影が出来ました、フェルメールの作品です。

小学生の見学でしょうが、日本では絶対ないでしょうが、まず先生が「触ってごらん」と像にタッチさせています。イエーツの像だったと思います。
その後、何を教えるのでしょうか?

ダブリン大学トリティーカレッジを訪れましたが、凄い行列です、アイルランドへ来て、一番の人混みに遭遇です。
ここに世界最古の書物『ケルズの書』があります。早く見たいです。

アイルランドの国宝となっており、世界で最も美しい本とも呼ばれる。
縦33cm、横24cm。豪華なケルト文様による装飾が施された典礼用の福音書で、四福音書(マタイによる福音書、マルコによる福音書ルカによる福音書ヨハネによる福音書)が収められている。
聖コルンバの偉業を称えるために、スコットランド、アイオナ島のアイオナ修道院で制作が着手され、その後アイルランドのケルズ修道院で完成された。

撮影は出来ませんでした、並んで数秒見つめるだけでしたが、大満足でした。
なめし革の上に綺麗に彩色され、きちんと製本されていることに驚きました。
net上からお借りしました。



片方のぺージには図で、もう片方は文章が書かれています。
その後図書館の見学です。

この冊数と古さは値打ちがありますね。1712年建築だそうです。20万冊収納だそうです。

そして、ここに展示されているハープも、アイルランド最古のもので、ハープはアイルランドで発行されているユーロ硬貨のデザインにもなっています。

ギネスビールの絵柄でもあります。
その後オプショナルツアーの見学の方達とは別れ、個人で参加の方と3人で、ダブリン散策です。


アン・チャーチ、これは小さいですが、カトリックの教会です、人数は遥かに多かったのですが、宗教改革にはじまり、プロテスタントのほうが少数でも強大な力を持っていたので、教会も大きかったのです。

ダブリン城、1204年ジョン王により建てられ、今はこの搭だけが、当時のまま、アイルランドにおけるイギリス支配シンボルとして残っています。

クライスト・チャーチ大聖堂。ダブリン最古の教会で、まるでお城のような石造りです。


緑色の丸屋根に「川の女神」の像がリフィ川を望む白亜の建物は税関です。
1791年にイギリス有名な建築家にyori建築されたが、1800年大英帝国によ併合され、税関もロンドンに移築され老朽化していた。
1921年の独立闘争の際に、英国帝国主義の象徴としてのこの建物に火が付けられ5日間燃え続けたそうです。1986年から修復工事がされ1991年に完成したそうです。

こちらはオコンネル・ストリートに建つ、ギリシャ風円柱を有する中央郵便局です。
昨年のメキシコで、私は8通、友人は10数通、ホテル前のポストに、日本行きの絵ハガキを投かんしたのですが、日本に到着せず、懲りたので、今回は郵便局、それも大きな郵便局がいいので、今回は首都ですから中央郵便局を目指しました。

またこの郵便局は、1916年のイースター蜂起の際の、義勇軍の司令部になりました。
中央階段で、イースターマンデーの日に、臨時大統領が「共和国宣言」を読み上げました。
蜂起は鎮圧されましたが、独立闘争の記念すべき場所を見ることが出来ました。


ちなみに北アイルランドのポストはイギリスと同じで、赤いですが、アイルランドのポスト箱のように緑色です。

この散策中は何度も雨が降り、雨宿りにデパートや大型ショッピングセンターに入り、また歩くを繰り返しました。
アイルランドの一番大きなチョコレート会社のバトラーズで買い物もしましたし、ホットチョコレートも飲みました。
夕飯用のハンバーガーを買い込んでホテルへバスで帰ろうとしましたが、これまた、バス停が無数にあります。

現地ガイドさんに地図上に印をつけてもらったところが一点で、線でこの辺りと書いてもらえば、もっと全体を見れたのですが、その場所にこだわり、ホテル近くのバス停に行くバス番号が5つぐらいあったので、そこから一つを選んで乗りました。すべて2階建てバスです。

高速バスで20分と言うのに、20分たっても街中をウロウロし、通勤客を集めて走ります。
どうやら各停に載ってしまったようです、しかも通勤ラッシュにはまってしまったようです。
乗客の方に、私達たち異国のものは珍しいがられ、ジロジロとみられ、ちょうど2階に上がる階段のある真ん中あたり座ったのですが、乗客は乗り降りが激しく、短距離でどこかの席が空くので、私たちはすわったままでした。

友人が大きくホテル名を書いた紙を持っていたので、通る方が、それを見て、「その駅はラストだ」と教えてくれました。
またその人が、おり際に「それはラストからセカンドかサードかもしれない」と言いに来て、下りました。
その後また親切な夫人が、そこは「まだまだだから」と教えてくれましたが、最初の人の英語は分かり易かったのですが、この方の英語は分かり難かったです。

そうこうしているうちに、もう1時間もバスに乗っています。乗客の減ってきました。
ようやく市内を離れ、緑の郊外に来ましたが、まだホテル周りの景色とは違います。
その女性の方が、指で、「5つ目だから」と教えてくれたのですが、それから、3つ程してその方が降りる時に、「ネクスト」と言う言葉が聞こえ、3人で、たしかにそう言ったよね。と確認し合い。
前のバス出口に行きました。
運転手がまだだと言うので、戻ろうとすると、後ろの席の十数人のひとたちが、同じポーズで両手を広げて大地を押すようなポーズで、一斉に「NO〜〜〜」と言っているのにびっくりしました。
皆さん繋がりがなく個々人なのに、まったく同じアクションで、腰を浮かせ、私たちのことを気に掛けてくれていたようです。忘れられない感動の光景でした。(笑)
バスの中全体が、この子(?)たちはちゃんと目的地に付けるのかしら?という感じで、ウロウロしている私たちを見守っていてくれたようです。
まるで、”はじめてのお使い”状態で、だんだん少なくなるバス内の乗客たちに一体感が生まれていました。
大きな男性が来て、「私が降りる次の駅だ」と、教えてくれました。
ようやくバスの人たちもほっとした空気が生まれ、私たちは笑顔で会釈してバスを降りました。

昨日下見した高速のバス停とは違います。バス停の名前は同じですが・・・
どうこの道路を渡ればいいのか、車も帰りの通勤客で、いっぱいです。
すると大柄な男性が近づいてきて、「ここから渡って、その先だ」と言う風に教えてくれました。
その男性は、私たちの前の停留場で降りた男性でした、気になったのか偶然か、また私たちの前にあらわれて、教えてくれました。
温かいアイルランドの方達に感動しながら、1時間20分もかかって、ようやくホテルに帰って来れました。(笑)
5時間、歩きっぱなしでしたが、いい思い出になりました。
高速バス停は、もっと郵便局手前の橋の側にあったそうで、しるしと200mほど違います。
もっとアバウトな書き方がしてあれば、探したのに、黒丸でここと書かれていたので、その周辺にこだわりました。


またそのうちに旅行記を作りたいと思います。
まず表紙だけを作りましたが、また変えるかも知れません。

http://litstar5.fc2web.com/ireland0/ireland0.html

これまでのは、こちらです。

http://litstar5.fc2web.com/tabinituki/iriguti.html